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…やっぱり、無謀だったんだ。ジャニーズがプロサッカー選手なんて。
応援してくれたのに、ごめんなさいジャニーさん…。
練習の疲労で満足に体が動かない時、
自分のふがいなさと、TVで活躍する６人の姿を自ずと比べてしまう日々だった。
ため息ばかりで、大好きなサッカーも、歌も、ダンスも、6人も。
何もかもどうでもよくなってきた時期もあった。
そんな、すっかり弱った俺を支えてくれたのは、
「A、後は頼んだぞ。」
大きな手が肩に乗る。
ぐっと力を込めて握る手の暖かさに、涙が出そうになる。
頼もしく見える大きな背中に、少しの寂しさがにじんで見えた。
・・・今日引退する、ベテラン選手だった。
長くチームの中心にいて、レジェンドだと言われた彼は、
自分の技術を惜しげもなく俺に伝え、できるようになるまで何度でも練習に付き合ってくれた。
親のように寄り添い、飯に連れて行ってくれたり、釣りに誘ってくれたり…
初めてスタメンに選ばれた日には、ケーキを用意して一緒に喜んでくれた。
そのうち、監督の言う通りに動けることも増え、周りの選手との連携もよくなってきた。
俺は、何度も何度も感謝を伝えて、彼はその度にいいんだと笑ってくれた。
…彼の暖かさに触れるたびに、６人を思い出して、会いたい気持ちを押し殺したけれど。
「ありがとう、ございました…！」
深々と頭を下げる俺を、優しい手がゆるゆると撫でた。
顔を上げて見た彼の顔にも、オレンジ色の涙が光っていた。
「お前の時代だ。チームを頼むぞ。」
スッと手に握らされた、彼のスパイク紐。
チームカラーと同じ色にこだわって、いつもこの色だった。
「今度の代表戦。こいつも連れてってくれよ。」
「・・・はい。必ず使います。」
俺をU-23日本代表まで押し上げてくれた、あなたと。
チームと、
大切なSixTONESを背負って。
「ゴールを守り抜いて見せます。」
そう言い切ると、
彼は嬉しそうに、また泣いて、笑った。
夕日に染まる芝のグラウンド。
ザクザクと、いくつものスパイクの音が重なり合う。
レジェンドを囲んで集合写真を撮るぞ！とスタッフの声が聞こえた。
ざわざわと集まり始める男たちの背中を眺めて、
ジャニーズJrのみんなと一緒に上がってきたステージを思い出す。
７人で、肩組んで歌ったっけな。
この星のHIKARI。
みんな、元気かな。
・・・会いたい。
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venjamin(プロフ) - りんさん» りん様 コメントありがとうございました！遅筆で申し訳ないのですが、そう言って頂けると嬉しいです。五輪…もしかして、サッカーもお好きな方ですか!?頑張って情報収集して、多少なりともリアルに書けるように頑張ります。また、覗きに来て下さい！ (2021年12月12日 23時) (
レス) id: 221b5a88eb (このIDを非表示/違反報告)
りん - はじめまして。いつも楽しく読ませて頂いています。五輪の話見てみたいです。更新頑張ってください。 (2021年12月3日 10時) (レス) id: ae11fa7d1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：venjamin | 作成日時：2021年5月5日 2時
