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ブブブブ。
ブブブブ。
左手につけた腕時計が震える。
「・・・ん。」
ゆっくり目を開けると障子から白けた光が漏れていた。
パチ、パチリ
見慣れない木の天井。
すぅすぅと聞こえてくる寝息…
…そうか、
昨日は東京に戻ってきて…みんなと温泉入ったんだ。
ん？
左腕がじぃぃんとしびれて動かない。
「…。」
朝ランに行く時起こしてしまうから…と、出口の近くで寝たはずなんだけどな。
・・・どうしてここに、たろ君がいるんだろう。
まだぼぉっとする頭で、
俺の左腕に頭を乗せてくぅくぅ寝ているたろ君を眺める。
いいな、肌綺麗。
沢山太陽を浴びた、健康的なたろ君の肌。きちんとケアされていて、ツヤツヤ光る
ちょっとジョリジョリした顎に触れると、
むんって口が動いた。
ゴロン。
「…ぅぶ。」
たろ君の大きな体が抱き着いてきて、すっぽり顔ごと抱きしめられた。
…うーん。みんな同じボディソープだったのに、良いにおいするよ、たろ君…。
「たろ君、たろ君。」おーはよ。
背中に手を回してトントンすると、彼の筋肉に厚みが出ていることに気付いた。
…雑誌もあったもんね、鍛えてるんだな。
もぞ
「…起きる…？ んんー…。」
―１０歳してそうな甘い声に、思わず顔が緩む。
こういうたろ君、世に出せばいいのに…。
絶対みんな喜ぶよ、可愛いもん。
「うん。俺、朝ラン行ってくる。」起こしてごめん。
「…ん。」
ゴロン。と大きな体が離れた。
よっと。
自由になった体を起こすと、手がちょいっと腰のあたりをつつく。
「たろ君？」
すー すぅー ちょろ ちょろ…
みんなの寝息と、湧き出る温泉の音だけの静かな空間。
そっと音を立てない様に近づくと
「帰ってきたら、もっかい風呂入ろ。」
パチ。
突然大きな目が開いて、ニヤリと笑った。
手がピースしてるけど、これって…
「二人で？」 「そ！」
コソコソ話して、いいねって二人で笑って、朝から心が弾む。
…代表合宿の、あのピリピリした感じとは違って。
寮の、あのライバル同士の心地よい緊張感とも違って。
「…いってらっしゃーい。」
「はーい。」
たろ君のまだ眠そうな声に見送られ、ランシューを結ぶ。
ん、なんだろ。くすぐったいこの感じ。
…好きだなぁ。
あぁ、そうか安心するってやつだ。
久しぶりに会った６人は、いつもの優しい６人だった。
朝日が海を照らして、光が反射して揺れる。
いつもより足が軽い、走れそう！
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venjamin(プロフ) - りんさん» りん様 コメントありがとうございました！遅筆で申し訳ないのですが、そう言って頂けると嬉しいです。五輪…もしかして、サッカーもお好きな方ですか!?頑張って情報収集して、多少なりともリアルに書けるように頑張ります。また、覗きに来て下さい！ (2021年12月12日 23時) (
レス) id: 221b5a88eb (このIDを非表示/違反報告)
りん - はじめまして。いつも楽しく読ませて頂いています。五輪の話見てみたいです。更新頑張ってください。 (2021年12月3日 10時) (レス) id: ae11fa7d1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：venjamin | 作成日時：2021年5月5日 2時
