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もう２４時近いというのに、東京駅にはそれなりに人が降り立つ。
冷たい風が容赦なく吹き抜ける大都会の駅は、いつ降りてもどことなく近代的で硬質的。
白い蛍光灯、グレーのプラットフォーム、誰も座らない青いベンチ。
イヤホンや携帯を片手に、誰もしゃべらず黙々と出口に向かう。
・・・寂しい。
この都会のどこかに、メンバーは確実にいるのに。
なんだかとても悲しい気持ちになって、ガラリと重たいケースを引いた。
ブブ…
羽織ったコートのポケットで携帯が振動する。
後で折り返そうと改札に向けて歩を進めるけれど、しつこく鳴り続ける携帯に足を止めた。
・・・？
画面には慎太郎君の文字。
周りに人がいないことを確認して、通話ボタンを押した。
「っぁ、でたでたA！」お疲れ！
「たろ君、Ｍステお疲れ様でした。」
おぉ、ありがとよ。
「お前さ、今日ホテルどこ泊まんの？」
「ぁ、宝町にある…「よし、着いたら電話して！」」
昨日からミュージック・ソンを収録して、Mステの生放送まで出演して。
くたくたのはずなのに、たろ君はとてもテンションが高い。
「たろ君の携帯に？」
「そう。温泉行くぞー。」
「・・・は？」
いいからいいから！じゃーなー！って笑い声を残して電話は切れた。
＊＊＊
「終わったら〜 Aと風呂〜♪」
ジェス、それなんの歌？
「でかい風呂〜♪」
…なんか、お前らが楽しそうで嬉しいよ、俺は。
もうすぐMステでSTを披露するっていうのに。
散々場当たりの確認して、振り付けと歌の確認したのに、
慎太郎とジェシーの謎の歌が頭から離れない…。
メロディーはキャッチ―で悪かぁない。
…今じゃなかったら最高だったね。
「俺の〜顔が好きな〜A〜♪」
…京本も歌うのかよ。
名立たるミュージシャンが集まるMステの会場。
大勢のスタッフが見守る中、アナウンサーの声が響く。
「SixTONESでSTです。どうぞ。」
黒い衣装がライトに照らされる。
スイッチが入った顔のメンバーは本当に頼もしい。
イントロと共に、一気に明るくなるステージに６人の熱が集まる。
最高のステージを届けたい。
俺たちの歌を、１人でも多くの人に聞いてもらいたい。
必死で踊り、歌うこの時間が…とても好きだ。
…見ててよ、A。
俺たちも６人で頑張ってきたんだ。お前に負けないように。
お帰り。
今夜、温泉につかりながらゆっくり話しような。
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venjamin(プロフ) - りんさん» りん様 コメントありがとうございました！遅筆で申し訳ないのですが、そう言って頂けると嬉しいです。五輪…もしかして、サッカーもお好きな方ですか!?頑張って情報収集して、多少なりともリアルに書けるように頑張ります。また、覗きに来て下さい！ (2021年12月12日 23時) (
レス) id: 221b5a88eb (このIDを非表示/違反報告)
りん - はじめまして。いつも楽しく読ませて頂いています。五輪の話見てみたいです。更新頑張ってください。 (2021年12月3日 10時) (レス) id: ae11fa7d1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：venjamin | 作成日時：2021年5月5日 2時
