想定外 ページ7
夜、かずが寝てしまってからそっとリビングに戻り、翔くんに電話をかけた。
『あ、もしもし?智くん?』
待っていてくれたのか、すぐに翔くんは電話に出た。
「今日はありがとう。見ててくれて」
『あ、うん』
始めに出た時の声とは打って変わって、小さく、低くなる声。
「どうかしたの?」
『うん、あの、今日のことなんだけど…』
「うん」
『あの、俺が行った頃は、もう絵を描いてたのね。俺が入ってきたことにも気づかないくらい一心不乱で。声をかけても返事をしないから、ちょっと迷ったけど肩叩いたの。それで気付いてくれたんだけど、それから全く俺のこと見てくれなくて…』
正直、ここまでは想定内の話だった。
けれど、その後、翔くんの口から出てきた言葉は、俺が全く考えもしないようなことだった。
『それで、おとなしく描いてると思ったら、急に立ち上がって歩き出すもんだからさ、びっくりしてついていってみたの。そしたら、玄関まで行って、ドアのほうじっと見て、それからＵターンして次はキッチンいって、そこでもじっと見て、それからまた絵描きに戻ったんだけど…。
いつもこんな感じなの?』
俺は、何も言えなかった。
そんな行動するの、初めて聞いた。
『それで、それ一回だけかと思ったら、20分ごとくらいに、立ち上がって見に行くのね。
ご飯の時間になって、一応聞いてみても、首振るだけで…』
俺は、翔くんの言葉をただ聞いているだけだった。
『絵描いてる途中でも、何回かきょろきょろしてて、それでさ…
俺、智くんのこと探してるんじゃないかなって思って…』
最後の翔くんの言葉に、俺はショックを受けた。
「まじで…」
『だから、今日はすぐに帰らせてもらったんだけど…』
「そっか…」
俺は、答える言葉が見つからなくなってしまった。
『智くん、大丈夫?』
翔くんが心配そうに聞いてくる。
そうだ、翔くん明日も仕事あるんだ…。
こんな時間まで突き合わせてしまったらだめだ…。
真っ白になった頭の中に、それだけは思い浮かんだ。
「ごめんね翔くん。今日はありがとう。またね」
それだけ言うと、何か言っている翔くんを無視して電話を切る。
それからは、糸の切れた操り人形みたいに、ソファに倒れこんだ。
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ohmiya373sk(プロフ) - 更新ありがとうございます！！ 話が着々と進んでますね…!! お母さんを見つめるにのちゃん 、過去も 益々気になります(^ ^) 更新頑張って下さい！ (2015年1月27日 22時) (
レス) id: 07fd8f852a (このIDを非表示/違反報告)
みっちょん(プロフ) - にじいろえんぴつさん» にじいろえんぴつさん！すぐにお返事できなくてごめんなさい!!お久しぶりです!(^O^)かずくんも、大野くんも頑張ってくれました！今年も是非よろしくお願いしますm(_ _)m (2015年1月27日 2時) (レス) id: 5d381b2641 (このIDを非表示/違反報告)
にじいろえんぴつ(プロフ) - みっちょんさん、お久しぶりです、えんぴつですー！年末年始が落ち着いたので、覗いたらお話が追加されてて、飛び上がりました。和くんの公園デビュー、大野さんよく引っ張ってくれた〜！と感動してます。大きな進歩！みっちょんさん、今年も応援させてください(ぺこり) (2015年1月4日 11時) (レス) id: ed6b40fa96 (このIDを非表示/違反報告)
みっちょん(プロフ) - エミーノさん» そうですね、、、ゆっくりゆっくりかずくんも変化見守ってあげてくださいm(_ _)m (2015年1月1日 2時) (レス) id: 5d381b2641 (このIDを非表示/違反報告)
みっちょん(プロフ) - ohmiya373skさん» そうですね、完全に萌え袖状態です(´ω`)いつもと違う智くんにキュンとしてしまいますね。。ありがとうございます! (2015年1月1日 2時) (レス) id: 5d381b2641 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みっちょん | 作成日時：2013年9月19日 0時
