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2人の時間 ページ31

「やきもち?」

「うん。なんかそんな感じしたから…」

「そうなの?」

かずを見ると、俺の胸に顔を押し付けていた。

「俺と翔くんが仲良くしてるの嫌だった…?」

頷きなしないけど、俺のシャツをつかむ手がさらに強くぎゅっと握られた。

今までの経験から言うと、これは肯定の態度だと思う。

「ごめんね?かずくん。2人でゆっくりしたかったね」

それでも翔くんのこの問いかけには首を振る。

どうしようと戸惑っていたら、翔くんが『俺シャワー入ってきてもいい?』と言った。

「いいけど…」

「その間2人でいなよ。オムライス消化してくる(笑)」

そうやって気を遣ってなさそうで遣ってくれるところも変わらないね。

「じゃぁ、お言葉に甘えて…」

「それは俺が言うセリフ(笑)あ、何にも持ってきてないから下着とか部屋着とか借りていい?」

「うん。脱衣所の横の白い棚にあるから。そこに全部入ってるから。いろいろ開けていいよ」

「ありがとう。じゃぁ」

翔くんは脱衣所に消えて行った。

「大丈夫?つらくない?」

一瞬わすれそうになっていたけれど、かずは風邪ひいてるんだった。

身体から伝わってくる熱はさっきから変わっていない。

表情はいくらかましになったけど…。

「ん?何?」

くいくいっと袖を引っ張って何かを訴えるかず。

そして、ソファを指差した。

「寝たいの?」

しんどそうにうなずく。そうだね。つらいね。

「ちょっと揺れるよ?ごめんね」

かずを抱っこしてソファまで運ぶ。

一旦寝かせてから、途中に落ちていた毛布を取りに行こうとすると、慌ててシャツの袖を掴んだ。

「大丈夫。もうふとってくるだけだから。ね?」

きつく握られたこぶしを撫でてあげると、一瞬迷ったけれど離してくれた。

床に落ちていた毛布を拾い、さっと埃を払う。

肩までかけてあげるまで、ずっと俺の顔を見て離さなかったかず。

「そんなに見ないでよ。恥ずかしいじゃん(笑)」

俺は茶化して言ったつもりだけど、かずは相当きつかったらしく、せっかく肩までかけてあげていた毛布を外し、両手を伸ばしてきた。

「寝てないと。ね?ここにいるから」

左手だけを握り、ソファのすぐ横の床に座る。

片方の手で手を握ってあげて、もう片方の手で赤ちゃんにするようにおなかをぽん、ぽんと一定のリズムをきざむ。

始め頑張って抵抗していたけれど、だんだん瞼が落ちてきた。

変化→←やきもち?



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ohmiya373sk(プロフ) - 更新ありがとうございます!! 話が着々と進んでますね…!! お母さんを見つめるにのちゃん 、過去も 益々気になります(^ ^) 更新頑張って下さい! (2015年1月27日 22時) (レス) id: 07fd8f852a (このIDを非表示/違反報告)
みっちょん(プロフ) - にじいろえんぴつさん» にじいろえんぴつさん!すぐにお返事できなくてごめんなさい!!お久しぶりです!(^O^)かずくんも、大野くんも頑張ってくれました!今年も是非よろしくお願いしますm(_ _)m (2015年1月27日 2時) (レス) id: 5d381b2641 (このIDを非表示/違反報告)
にじいろえんぴつ(プロフ) - みっちょんさん、お久しぶりです、えんぴつですー!年末年始が落ち着いたので、覗いたらお話が追加されてて、飛び上がりました。和くんの公園デビュー、大野さんよく引っ張ってくれた〜!と感動してます。大きな進歩!みっちょんさん、今年も応援させてください(ぺこり) (2015年1月4日 11時) (レス) id: ed6b40fa96 (このIDを非表示/違反報告)
みっちょん(プロフ) - エミーノさん» そうですね、、、ゆっくりゆっくりかずくんも変化見守ってあげてくださいm(_ _)m (2015年1月1日 2時) (レス) id: 5d381b2641 (このIDを非表示/違反報告)
みっちょん(プロフ) - ohmiya373skさん» そうですね、完全に萌え袖状態です(´ω`)いつもと違う智くんにキュンとしてしまいますね。。ありがとうございます! (2015年1月1日 2時) (レス) id: 5d381b2641 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みっちょん | 作成日時:2013年9月19日 0時

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