ぐったり ページ26
ぐったりしているかずの身体を助け起こす。
翔くんは、かずの気持ちを汲んでかあえて手を出さず見守ってくれていた。
かずに薬を見せると、自分で手を伸ばして飲もうとしてくれた。
けれど、翔くんが持ってきてくれたペットボトルの水を渡そうとすると、力が入らないのか落としそうになってしまう。
「かず、飲ませてあげるから」
俺はお母さんが赤ちゃんにほ乳瓶でミルクを飲ませる時のような体勢になる。
「大丈夫だから」
力の入らない手をなお伸ばしてくるけど、危なっかしくて持たせてやれない。
かずの口にゆっくりペットボトルの口をつける。
かずは飲んでくれたけど、俺の手がぶれてしまってちょっとこぼれてしまう。
「あ、ごめん」
「大丈夫だから。錠剤口に入れてあげて」
濡れてしまったかずの首元を、翔くんがタオルでそっと拭いてくれる。
本当に、準備がいいなぁ。
「２個とも?１個ずつ?」
「２個でもいいけど…今は喉腫れてて飲み込みにくいだろうし１個だね」
まず１個目の錠剤を口にいれてあげて、今度は慎重に水を飲ませる。
「かず?飲める?」
しばらくてこずっていたみたいだけれど、飲んでくれた。
「もう１個。頑張れ」
さっきと同じ要領で飲ませてあげる。
今度は少し大きかったからか、顔をしかめながらも飲み込んでくれた。
「よし。これで安静にしてたら、咳は止まってくると思うから。熱はもうちょっと心配だけれど…」
「うん。翔くん、ありがとう」
ひとまずほっとして、ソファにかずを寝かせようと思ったけれど…
いつの間にか俺のシャツをつかんでいて、その手は離してくれそうになかった。
「ちょっとそのままにしてあげてたら?」
翔くんが優しく笑って、そっとかずの頭を撫でようとして、引っ込めた。
「大丈夫だと思うよ。もう寝そう」
薬を飲むことで疲れてしまったのか、うとうとしているかず。
「そう?」
そっと頭に触れるけど、かずは抵抗せず、逆にすっと眠りに落ちた。
「あ、寝たかも」
「まじ?よかった…」
翔くんが自分を助けてくれたことを感じたのかもしれない。
それから、俺はかずを抱えたまま翔くんと静かに話していた。
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ohmiya373sk(プロフ) - 更新ありがとうございます！！ 話が着々と進んでますね…!! お母さんを見つめるにのちゃん 、過去も 益々気になります(^ ^) 更新頑張って下さい！ (2015年1月27日 22時) (
レス) id: 07fd8f852a (このIDを非表示/違反報告)
みっちょん(プロフ) - にじいろえんぴつさん» にじいろえんぴつさん！すぐにお返事できなくてごめんなさい!!お久しぶりです!(^O^)かずくんも、大野くんも頑張ってくれました！今年も是非よろしくお願いしますm(_ _)m (2015年1月27日 2時) (レス) id: 5d381b2641 (このIDを非表示/違反報告)
にじいろえんぴつ(プロフ) - みっちょんさん、お久しぶりです、えんぴつですー！年末年始が落ち着いたので、覗いたらお話が追加されてて、飛び上がりました。和くんの公園デビュー、大野さんよく引っ張ってくれた〜！と感動してます。大きな進歩！みっちょんさん、今年も応援させてください(ぺこり) (2015年1月4日 11時) (レス) id: ed6b40fa96 (このIDを非表示/違反報告)
みっちょん(プロフ) - エミーノさん» そうですね、、、ゆっくりゆっくりかずくんも変化見守ってあげてくださいm(_ _)m (2015年1月1日 2時) (レス) id: 5d381b2641 (このIDを非表示/違反報告)
みっちょん(プロフ) - ohmiya373skさん» そうですね、完全に萌え袖状態です(´ω`)いつもと違う智くんにキュンとしてしまいますね。。ありがとうございます! (2015年1月1日 2時) (レス) id: 5d381b2641 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みっちょん | 作成日時：2013年9月19日 0時
