忍び寄る影(コワルスキー&noside) ページ31
「サイン……サイン!聞こえてるか!?」
「ぁ……」
気づけばメリーゴーランドは止まっていて、傍にはコワさんがいた
「コワ、さ……」
「何があった?凄い汗だそ!?」
「え、あ、あ……」
言葉がうまく出せない
体が震える
呼吸もままならない
「っ……」
「サイン!?おいしっかりしてくれサイン!」
そのまま倒れるようにして私はコワさんの腕の中に包まれた
(見つかった……あいつらに……もう、いっしょには……でも……)
考えることが多すぎて、パンクした私は意識を飛ばしてしまった
ーーーーー
「っ……!」
私はサインを抱えてそのまま駆け出した
何故急に……
さっきまであんなにも元気だったと言うのに!
まさか人工衛星のマインドコントロールの影響で受けたのか!?
ならすぐさまヘルメットで防御しないと!
いやそんなことよりサインの治療をしなければ!
(早くラボへ……!)
脚を止めることなく私は一目散でかけていく
と、その道中遊園地には似合わない黒スーツの男とすれ違った
普通なら気にもとめないだろう
だが私は脚を止め、振り返ってしまった
(今なんて言った?)
振り返るも既に人に紛れてどこに誰がいるのかわからない状態だった
だが、私の心拍まで速まっていた
「は、は……」
あいつは、こういったのだ
《彼女は我々のものだ。》
と
ーーーーー
『そう。それで、見つかって報告したと。ありがとう二人とも。彼女の現状も良さげで一先ず安心だ。』
暗がりの中、二人の男が液晶を覗き混んでいた
そこには白髪金目の男がニヤリと嗤っていた
「即座に回収した方が、よろしかったでしょうか?」
『いや、その必要はないよ。ありがとう。既に計画はたててある。あとは回収するのみさ。二人も早くかえっておいで!今日はご馳走にしよう。君達の好きな食べ物を用意させてあるからさ!』
「わーい!ありがとうございますキーパーさん!」
「ありがたき幸せ……」
『それじゃあ。』
こうしてキーパーは通信を切り、背もたれにもたれた
暗い天井を見つめながら彼はクククと笑う
その笑い声は徐々に大きくなり爆笑へと変わる
一頻り笑って、笑って、嗤って
彼は涙すら浮かべた
「あー……!バカだ!皆皆馬鹿馬鹿馬鹿!知能指数などまるでない!だが状況は好調……もうすぐボクの下に帰ってくる……二人とも……ボクの物だ!」
高笑いは狭い部屋に反響してよく響く
一人の天才は、一頻り笑った後真顔になり言った
「さ、家畜に餌を与えにいくか。」
その顔には愛着も愛嬌もなかった
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闇鍋ソース(プロフ) - ぱいんさん» まじすか、よろしくお願いします (2020年4月30日 16時) (レス) id: e014917a59 (このIDを非表示/違反報告)
ぱいん - 初コメ失礼致します。更新嬉しいです、ありがとうございます!これからも応援しております! (2020年4月30日 2時) (レス) id: ab6cbeeec6 (このIDを非表示/違反報告)
闇鍋ソース(プロフ) - はやみんさん» それはよかったです( ´∀`) (2020年4月15日 1時) (レス) id: e014917a59 (このIDを非表示/違反報告)
はやみん - ついにシオフキー結ばれた!よかったです!闇鍋ソースさんの小説やっぱ大好きです! (2020年4月15日 1時) (レス) id: 60d6cec3ee (このIDを非表示/違反報告)
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