彼女の痕跡(コワルスキーside) ページ45
いない
サインがいない
その事実に私は膝からそのまま崩れ落ちた
周囲も騒然として目を見開いていた
まさか翌日にもういなくなるなんて思いもしなかった
朝、いつもならもう起きて掃除をしているはずのサインがいなくて心配になってラボを覗いた時にはもう姿を消していた
「そんな…」
今すぐにでも探さねばいけなかった
しかしあまりのショックで私の足はいう事を聞かず立ち上がれない
出て行ってほかに身寄りを求めるのであれば思い当たる人物は一人しかいない
もしかしたら別の場所かもしれないが私には確定に近い直感があった
サインが向かうならキーパー教授のもとしかない
ショックだったのは私ではなくキーパー教授の方に行ってしまったことだった
また迷惑をかけたくないと思っているのだろうか…
「コワルスキー!いつまでそうしているつもりだ!」
隊長の声で私はハッとした
あたまを上げるとむすっとした隊長の顔が目前にあった
「コワルスキー、まだそう遠くに彼女は行ってないはずだぞ?あれだけテレビなんかに映っていたんだ。公共のものをつかう事は無いはずだ。」
「しかし…彼女は…」
「ああ!いつまでもそうして部屋に閉じこもる気か!?」
そう言うと隊長はグイッと私の胸倉をつかみ叫んだ
「サインのことが大切なんだろう!?キーパーに奪われたくないんだろ!?だったらくよくよせずに立ち上がれ!追いかけろ!そして彼女に思いを伝えろ!あきらめるのはそこからだ!」
「っ!隊長…!」
そうだ…
隊長の言葉で目が覚めた
くよくよするんじゃない
まずは彼女がどこへ行ったか調べるのが先だ!
(何か痕跡は残っていないだろうか…あ、あれは…)
私は通気口の近くに羽が落ちているのを見つけた
試しになめてみるとまだ新しかった
(ここから出て行ったのか…どおりで気づかないわけだ…しかしなぜこのような手を取った?彼女ならワープすればいいようなものだが…)
「コワルスキー!」
「どうした新人!」
私は新人の声に気づき後ろを振り返った
見ると何か小さなメモを持っていた
「それは?」
「フレイアの書き残したメモ見たいっす。恐らくサイン宛の。」
内容はあのリストバンドの使い方についてのようだった
(フレイアの奴…勝手にこんなことをして…これじゃあサインをキーパー教授の元へ送るようなものじゃないか…いや待てよ…うまくいけばこれは…)
そこで私はとんでもなく素晴らしいアイデアを思い付いた
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闇鍋ソース - コメありがとうございます!そう言って頂けて本当に嬉しいです!とても元気がでます!これからもっと面白くなっていくので楽しみにしていてください! (2018年4月9日 7時) (レス) id: 00ec63ee18 (このIDを非表示/違反報告)
あやまる〇(プロフ) - こんばんは!初めまして、あやまると言います!最近読み始めたのですがとても面白くて作品更新がとても楽しみです^^*投稿主様のペースで構いませんので、これからも頑張って下さいね!陰ながら応援してます! (2018年4月8日 20時) (レス) id: 230c938807 (このIDを非表示/違反報告)
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