貴方は私の大切な・・・（コワルスキー・シオフキー）

見たものは（コワルスキーside)グロといえないようなグロ表現あり ページ42

「・・・よし…今は誰もいないな。」

人間がいないことを確認し、私は動物園内の一角にある医療センターの一室に忍び込んだ。
ここに来たのには理由があった

隊長は一度不信感を抱いたら即敵と決めつけるほどよく言えば用心深く悪く言えば臆病だ
きっと今頃どこかの脇でサインに尋問でもしているのだろう
だから隊長に信じてもらうにはサインが無害であることを証明する必要があった
私はその証拠はサインが初めてここに来た時怪我をしていたことから医者が何かしらのカルテを取っていたのではないかと思い、来たのだ

「私の考えが当たっていればサインのカルテは・・・よし！見つけたぞ！」

私は書類の山を漁りようやくサインの物らしきカルテを発見した
・・・が、カルテを見た瞬間私の言葉を失った
文字がわからなくても理解できた
カルテに貼られていた写真は紛れもなくサインのものだった

しかし、数多の酷い傷が痛々しく彼女の体を彩っていた

(何・・・だ・・これは・・・)

初めて会った時にあった翼の傷以外にも、切り傷や縫い傷、打撲跡など見てもいられないありさまに体温が急激に下がったのが嫌なほどわかった

(ここに来る前・・・確か悪い奴に攫われたとか言っていたな・・いや・・・だがこの傷は・・・随分前につけられている。そうでなければこんなに傷が残るはずが無いしそもそも医者が治しているだろう・・・いったいどこで・・？)

その時、ガチャリと扉が開き、私は咄嗟に近くの机の影に隠れた
入って来たのは医者とアリスだった

「さて・・・アリス君、掃除を頼むよ。」

「はーいはい。言われずともやりますよ。」

私はそっと息を潜めてどうやってこの場をやり過ごし脱出するかを考えていた
しかしアリスの一言で私は会話に耳を傾けずにはいられなかった

「そういえば・・・あのメスペンギンのことなんですけど・・・」

(！サインのことか？)

何か情報が得られるかもしれないとそっと二人のほうを向く

「少し元気がない気がするんですよねー。かわいいっちゃかわいいんですけど。なんかこう・・たまに暗いオーラを纏ってるっていうか・・・なんというか・・・」

「あぁ。だが無理もないだろう。何とか大怪我を負っていた翼は治せたが他の・・・もっと前につけられた傷はだめだった。毛を増やして何とか隠せてはいるが、あまりにもひどすぎる。ここ２，３年のではないだろう。」

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時数のため次行きます

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