七人 ページ40
「陽雅ー、なんか見つけ…た……？」
「光里ちゃん、どうかした？……！！」
光里と善野さんが押入れを見て目を丸くする。
俺は服の上からハサミを握りしめた。
「……ここ、確か警察が調べた時は開かなかったって……、まさか、こんな物が……。陽雅君、まだ何も触ってない？」
「あ、はい……何も……」
ハサミのことも言わなければと思ったが、言う気にはなれなかった。
善野さんは気づいていない。
しばらく沈黙が続いたが、やがて、善野さんが押入れに目を向けたまま口を開いた。
「ごめん、今日は、もう終わろう。警察にこの事を伝えないといけない。……悪いけど、また今度にしても良いかな？」
「あ…、はい、大丈夫です。ね、陽雅」
「うん……。…大丈夫、です」
「…ごめんね、ああ、さっきやったのはそのままで良いから。送ってくよ」
そう言って善野さんは部屋を出て行く。
それに光里と俺は続いた。
ポケットに手を突っ込んで、ハサミの感触を確かめる。
さっきまで握っていたからか、命が宿っているかの様に、暖かかった。
ーーー
それから、Aのアパートにはまた警察が立ち入り調査をしたらしい。
あの押入れからは、捜査に関する資料、凶器、証拠品などが大量に押収されたと聞いた。
結局あのハサミは警察に渡せなかった、否、渡さなかった。
今はAの形見として持ち歩いている。
その後、再び俺たちは遺品整理に行ったのだった。
あれから数年、いろいろなことが変わった。
俺と光里の就職、善野さんの出世と結婚(めっちゃ美人なお嫁さんだった)…。
その中でも一番は…。
それは、今から起こること。
「なあ、光里」
「何？陽雅」
今いるのは俺の家。
二人でソファに座って、なんとなしにテレビを眺めている。
「ちょっとあげたいものがあってさ、ちょっとここで待ってて」
「ええ？今日何の日だっけ」
「何の日かなー」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
唐突ですが分岐を作ります。
一応はこのまま幸せなルートに入りますが、その後に別ルートを作ります。
そちらの方は始まる前に注意を入れるので、気長にお待ちください。
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もくもく@鬼灯なぅ - みーさん» あ、本当ですね！ご指摘ありがとうございます！ (2015年11月7日 1時) (
レス) id: 4a5e4162ae (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - 報告書二枚目の、近所の大学生と若い警官数名が犠牲になった事件で、夜行が夜光になっています。故意でしたら、すみません。 読んでいてとても引き込まれる話で、面白いです。私もこんな風にかければなあ笑 (2015年11月4日 20時) (レス) id: bcd7e9b2cd (このIDを非表示/違反報告)
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