報告書一枚目 ページ3
善野side
目玉焼きが食べたい。
ふと、そう思った。
あれから2ヶ月。
光里君はというと、二人を亡くした傷はまだ深いようではあるが、大分以前の元気を取り戻しつつあり、怪我の方も順調に回復していた。
一方、僕は事件の後始末やらなんやらで忙しい毎日を送っている。
その為、なかなか家に帰れず、家庭の味が恋しくなってきている。
また、町の人々も平穏を取り戻していた。
ほんの少し前まで、世間では夜行の話で持ちきりだった。
それも、今では滅多に話に出てこなくなってしまった。
まぁ、人とはそんなものだ。
カチカチと鳴るキーボードの音に耳を傾けながら、報告書の最後の文を書き終える。
思えば、長い闘いだった。
夜光君の心情が分からない訳では無いが、やはりそれは理解し難い物だった。
それは今でも思う。
結果、この事件は容疑者が死ぬという最悪の形で幕を閉じてしまった。
夜光君……否、夜行が死んだ、という事実は公にされる事はなかった。
大学側にも、彼は夜行により殺された、と説明している。
理由はよくわから無いが、上にも何か事情があるのだろう。
僕は一通り纏め終わった報告書を、一度確かめることにした。
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もくもく@鬼灯なぅ - みーさん» あ、本当ですね!ご指摘ありがとうございます! (2015年11月7日 1時) (レス) id: 4a5e4162ae (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - 報告書二枚目の、近所の大学生と若い警官数名が犠牲になった事件で、夜行が夜光になっています。故意でしたら、すみません。 読んでいてとても引き込まれる話で、面白いです。私もこんな風にかければなあ笑 (2015年11月4日 20時) (レス) id: bcd7e9b2cd (このIDを非表示/違反報告)
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