三羽 ページ20
『ごめん_____雅_____』
君は誰?
『___のせ__で』
ごめん、よく聞こえ無い。
『_____さよなら』
ねえ、待って。
何処に行くんだ?
待って、待ってくれ。
置いていかないで_____
ーーー
「待っ______」
どうやら、俺は今まで夢を見ていたらしい。
額に汗が滲んで、髪が張り付いているのが気持ち悪い。
あの夢は、一体何なのだろうか。
入院している間にも、何回か見た事がある。
遠くで、誰かが話しかけてくるのだ。
そして、最後には何処かに行ってしまう。
その直後に目覚めるのだ。
「……あ、晩御飯、食べ損ねた」
ふと、昨日の夜晩御飯を食べずに寝てしまった事を思い出し、俺は食卓に向かった。
「………おはよう」
「あ、おはよう。陽雅、昨日晩御飯食べずに寝たから、お腹空いてるでしょ。ハンバーグ温めてあるから、それ食べなさい」
「分かった」
母さんが机の上を指差すと、其処には、少し湯気のたったハンバーグが皿の上に盛られていた。
椅子に座ってから箸を手に取り、ハンバーグを一つ口に頬張った。
美味しい、と思わず口に出す。
それと同時に何故か涙が込み上げて来て、必死に堪えた。
ハンバーグの味はとても美味しかったが、心なしか少ししょっぱく感じた。
90人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もくもく@鬼灯なぅ - みーさん» あ、本当ですね!ご指摘ありがとうございます! (2015年11月7日 1時) (レス) id: 4a5e4162ae (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - 報告書二枚目の、近所の大学生と若い警官数名が犠牲になった事件で、夜行が夜光になっています。故意でしたら、すみません。 読んでいてとても引き込まれる話で、面白いです。私もこんな風にかければなあ笑 (2015年11月4日 20時) (レス) id: bcd7e9b2cd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ