ホットミルク2 (ページ1)

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〈大橋side〉

大橋「これでええかな…」

タオルを持って急いでリビングに向かおうと廊下に出たら
玄関にAさんがいた。

あれ？さっきまでキッチンおったよな…？

大橋「Aさん？どしたん？」

俺の声にびくっと肩を揺らしたAさんは
少し目を泳がせながら振り向いた。

A「あっ、えーっと、電話！会社から電話が来たので外行ってきます！」

大橋「えっ別に部屋でしてええよ？ここの部屋使って？」

A「えっっ！！？いや、長くなりそうですし……」

大橋「それなら尚更部屋で電話して？夜なんやし危ないで？」

俺の提案に
えええ………とさらに目を泳がせる。

………これ、絶対電話やなくない？
だって手に持ってるんスマホやないし、財布やし。

大橋「Aさん、本当は電話ちゃうやんな？」

座って靴を履こうとしていたAさんの前にしゃがみ、顔を覗きこむ。

A「いっいやいや！！電話です！！」

大橋「…じゃあなんで財布持ってるん？」

Aさんは持っていた財布をバッと隠した。
見られたって顔してる。

うん、やっぱり電話やないな。

大橋「買い物しに行こうとしてたやろ～？？」

ぁ、えっと、と何とか言葉を紡ごうとしているけど無理だったらしい。

A「…………そうです。」

苦笑いを浮かべながら答える。
やっと折れてくれた。