カフェオレタイム (ページ12)

今日:9 hit、昨日:2 hit、合計:14,605 hit

＊11 ページ12

.
〈大橋side〉

やっと会社に着き、隅のほうでしゃがんで書類を確認する。

何とか濡れていなくて安心したが
自分の濡れ具合がやばい。

大橋「このままだとあかん…！」

いつもは持ち歩いているタオルをなぜかこんな時にだけ忘れてしまい、
何か他にないかと鞄の中を漁っていたら
上から声が聞こえた。

A「君っ！大丈夫…！？」

顔を上げると可愛い女の人が慌てながら声をかけてきた。

そして自分の鞄からタオルを取り出し、
使ってないから綺麗だよ、なんて言って
びしょ濡れの俺を拭いてくれる。

大橋「へぁ！？！？」

A「これから入社試験なの？」

ポンポンとタオルで拭きながら、
俺が持っていた書類を見ながら話しかけてきた。

大橋「え！？あ、そうです。それやのに急な雨で濡れてしまって…」

今日は本当に運がない日。

雨は降るし、タオルは忘れるし、自分は濡れまくってて。
ここの試験落ちるんとちゃうか…

A「…まだ時間ある？」

大橋「大丈夫ですけど…」

遅れないよう早く来ていたから
試験の時間まではかなり余裕がある。

A「よし、ちょっと付いてきてね」

ふわっと優しく笑いながら
俺の手を引いて歩き出した。