記憶喪失 ページ6
深夜、1:00。
準夜勤だった、同期の友達からメールが入る。
“あの人、さっき目を覚ましたよ。”
…………良かった。
ほっとしているのもつかの間、次のメールも入る。
“超怖いんですけど。ここに連れてきた女を出せって、ナースを威嚇してて点滴も交換させてくんない。どうにかして。”
……………
そうか。そういえば入院する前、一緒にいるって私が言ったんだった。
しょうがない。今日は休みだし、病棟に行こう。
今から行くことをメールすると、“助かる！”と書いたメールがすぐに返ってきて、仮眠していた重たい身体を起こした。
深夜、1:30。
スッピンのまま、ナースステーションに顔を出してから、男の病室の前に着いた。
大部屋に入っていたはずが、個室に移動していた。
まさか、暴れたとかじゃないよね？
少し扉を開ければ、消灯時間が過ぎているが、カーテン越しに、枕灯の小さい電気が付いているのがわかる。
カーテンを開こうと手を掛けた瞬間、ぐいっと大きな手に掴まれ、引き寄せられた。
｢…………やっと、来た。｣
揺れる、赤い瞳。
落ち着いた低い声が、部屋に響いた。
真っ直ぐ見られ、何故か心臓が痛い。
よろけた身体が転ぶ前に、私は反射的にベッドに片腕をついた。
気付けば目の前には、ベッドの上に座っている男の顔があり、驚いた。
近過ぎて慌てて身体を起こし、離れようと距離を取った。
『急に、引っ張らないでください……！！』
｢さっき、お前がこっちに向かっていると聞いた。｣
『すいませんが、痛いんで…………手、離してくれます？』
あぁ………と、私の手を離す。
恐い雰囲気だけど揺れる瞳は、もしかして不安だったんじゃないかと思ったら、溜め息が小さく出た。
ベッドサイドの椅子に、ちょこんと座った。
｢名前……、聞いてもいいですか？｣
眉間が、ピクッと動く。
｢ユースタス………キッド、だ。｣
やっぱり、外人さんか。
それにしても、日本語が上手い。
『何処から来たんですか？』
｢わからねぇ…………全然、思い出せない。｣
『え？』
記憶、喪失？
その表情から、嘘を付いているように思えない。
｢目が覚めて、思い出せたのが……お前の顔とお前の言った事だった。それだけだ。｣
殺し文句。
少し……心がザワついた。
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弱音ハクはオレの嫁(プロフ) - 面白かったです！キッドの小説は少ないので見つけられると嬉しいです！ (2021年4月12日 15時) (
レス) id: ccc8b6f347 (このIDを非表示/違反報告)
心遥 - お大事に〜！！！！！ (2016年5月17日 16時) (レス) id: 24e2ac7908 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉＊(プロフ) - 心遥さん» まだ良くなってません(゜ロ゜;久しぶりに風邪引きました(>_<) (2016年5月15日 7時) (レス) id: 02f81fdce9 (このIDを非表示/違反報告)
心遥 - 風邪？！？！大丈夫ですか？！ (2016年5月13日 17時) (レス) id: 24e2ac7908 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉＊(プロフ) - 心遥さん» 今風邪引いてて更新が遅くなりそうですが、よろしくお願いします(;ﾟ∇ﾟ) (2016年5月12日 13時) (レス) id: 02f81fdce9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉＊ | 作成日時：2016年3月24日 5時
