刻まれていた傷痕 ページ5
一通り検査は終わり、まだ意識は取り戻していないまま、私が付き添っていたためか、男は、6階病棟に入院となってしまった。
あれほど痛みがあった頭部だが、脳ＭＲＩに結果、特に異常もみられなかった。
そして、困った事に名前も何もわからない。
検査を受けるとき、検査室のナースが着替えをしてくれ、派手なコートや着替えを受け取ったが、身分を証明するものが一切入ってなかった。
とりあえず、病室まで付き添いし、カーテンを閉め、ベッドサイドの椅子に腰を掛けて一息ついた。左手の点滴が滴下しているのを、ぽかんと眺めていた。
｢あれー？A、夜勤明けじゃなかった？｣
同期で入った準夜勤の友達が、突然カーテンの隙間からひょこっと顔を覗かせた。
『そうだよ…………。大変な事になっちゃったよ。』
｢彼氏じゃなくて？｣
『な…！！違うよッッ！？』
｢何だ………。違うのか。派手な頭だけど、ワイルド系イケメンだと思ったのに……。その人、外人さん？｣
『え？どうだろう？日本語話してたけど……』
｢まぁ、来たついでだし、手伝ってよ！！｣
『……えぇ！？』
清拭タオルを４本渡された。
要は、この男の身体を拭け、との事。
たぶん、この人２メートルは身長あるよね。正直、重たそう……
しょうがない…………やるか。
着替えはそのまま、胸をはだけさせ、拭けるところから拭いていこうとした。
その肌を見た瞬間、驚いた。
たくさんの傷痕。
もしかして、ヤクザ…………！？
変な汗が出てきちゃった。
かなり筋肉質に傷だらけの身体。
頭じゃなくて、こっちの方が痛そうだ。
簡単に拭き終わると、そっと布団を掛け直した。
重たかったけど、かなり汗をかいたのを見てしまったから、拭いてあげれて良かった。
あまりに綺麗な寝顔に、少し見惚れてしまう。
ただ、容姿といい、身体の傷といい、住む世界の違う人なんだと思う。
明日は、休みだ。
穏やかに眠っているようだし、今日は帰ろう。
そう思い、病室を出た。
すっかり寝損なってしまった。
帰り際にナースステーションに立ち寄ると、からかうように私の彼氏が入院したと噂立っている。
『違いますからねッ！』なんて言っても、笑われるばかり。
何か、疲れた…………
明日、お見舞いに来る事を告げて、その日は自宅に帰って眠った。
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弱音ハクはオレの嫁(プロフ) - 面白かったです！キッドの小説は少ないので見つけられると嬉しいです！ (2021年4月12日 15時) (
レス) id: ccc8b6f347 (このIDを非表示/違反報告)
心遥 - お大事に〜！！！！！ (2016年5月17日 16時) (レス) id: 24e2ac7908 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉＊(プロフ) - 心遥さん» まだ良くなってません(゜ロ゜;久しぶりに風邪引きました(>_<) (2016年5月15日 7時) (レス) id: 02f81fdce9 (このIDを非表示/違反報告)
心遥 - 風邪？！？！大丈夫ですか？！ (2016年5月13日 17時) (レス) id: 24e2ac7908 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉＊(プロフ) - 心遥さん» 今風邪引いてて更新が遅くなりそうですが、よろしくお願いします(;ﾟ∇ﾟ) (2016年5月12日 13時) (レス) id: 02f81fdce9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉＊ | 作成日時：2016年3月24日 5時
