前を向くということ ページ30
『エースさん。あの、』
｢お！？悪ィ！！なんだ？｣
またエースさんが慌てた様子で、こちらを向くと優しい瞳で目を合わせてくれた。
そんな優しい雰囲気が、私の質問に答えてくれそうな気がして聞いてみた。
『なんだか、このお店はキッドの居場所のような雰囲気があります。実は私、キッドの事を全く知りません。トラファルガーさんもです。突然、私の前に現れたんです。』
｢ここは、海賊のたまり場みたいな雰囲気があるからなぁ。ユースタスがいても違和感ねぇのは、そのせいじゃねェか？｣
『…………！
じゃあ、キッドも海賊だったって事ですか？』
｢本当に記憶がねぇらしいが、俺らは覚えてる。
アイツは、海賊だ。｣
『！！』
ショックだった。
キッドは最初会ったときは怖かったものの、昨日は一緒にご飯を食べたり、普通に会話もしていた。
一体、海賊って何？
｢ただ、向こうの世界の話な！！｣
『…………向こうの世界？』
首を傾げ、エースを見た。
｢俺もそうだが、向こうの世界で海賊をやってた。サッチも、そこのでっかい白ヒゲのおっさんもな。ここに来て、西暦も土地も全く違っててな。異世界としか言いようがねぇ。｣
『異世界……ですか』
｢ああ、どっちの世界が本当の世界かも、俺たちにはわかりゃしねぇ。ただ、この世界に来た事には変わりねぇ。そしたら、今をここの世界で生きていくことしかできねぇじゃねーか。｣
この人も、キッドと同じだ。
なんて、前向きなんだろう。
そう思ったら、笑顔が溢れた。
エースさんは、また私の顔を見てギョッと顔を赤くして後ずさりしてたが、私にはそんなことはどうでもよかった。
居心地がいいのは、この前向きな心。
海賊だって、いいじゃない。
今見えているのが、本当のキッド。
今の彼が、嘘ついているように見えない。
守ってくれた、優しいキッド。
最初は、少し怖かったけど、今は…………キッドを見ていると、安心する。
私も今、見えているものを受け入れよう。
そして前を向いて進めるように、顔をあげよう。
『素敵です』
エースさんにそう言うと、少し驚いた様子だったが、エースさんもニカッと笑ってくれた。
｢なんか吹っ切れたみてぇだな。あんたは、笑顔がよく似合う。｣
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弱音ハクはオレの嫁(プロフ) - 面白かったです！キッドの小説は少ないので見つけられると嬉しいです！ (2021年4月12日 15時) (
レス) id: ccc8b6f347 (このIDを非表示/違反報告)
心遥 - お大事に〜！！！！！ (2016年5月17日 16時) (レス) id: 24e2ac7908 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉＊(プロフ) - 心遥さん» まだ良くなってません(゜ロ゜;久しぶりに風邪引きました(>_<) (2016年5月15日 7時) (レス) id: 02f81fdce9 (このIDを非表示/違反報告)
心遥 - 風邪？！？！大丈夫ですか？！ (2016年5月13日 17時) (レス) id: 24e2ac7908 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉＊(プロフ) - 心遥さん» 今風邪引いてて更新が遅くなりそうですが、よろしくお願いします(;ﾟ∇ﾟ) (2016年5月12日 13時) (レス) id: 02f81fdce9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉＊ | 作成日時：2016年3月24日 5時
