大事なもの ページ8
『……ロシナンテ……ッ!』
｢お前の自由はないと言ったはずだ｣
獣のような冷たい視線に捕らえられ、私は必死に抵抗しても、ロシナンテが掴んでいる腕はビクともせず、私はロシナンテの腕からも鋭い眼からも逃れることが出来ない。
｢A。こうなったお前は、何が出来るんだ｣
『……離して…………ッ!』
｢声をあげることか？」
『…………ッ!』
ロシナンテの掴まれている腕の痛みより、私を物のような眼で見る、彼の視線耐えられなかった。ロシナンテは私を捕らえてから、その視線を全く外さなかった。
私は、耐えきれず眼をぎゅっと瞑った。
｢眼をそらすな｣
『…いや……ッ!』
顎を捕まれ、私の身体はビクッと跳ね返った。ロシナンテは私に覆い被さるように馬乗りになった。
｢…逃げれるもんなら、逃げてみろ｣
『……！!』
私の顔に近付いてきた顔は、少し鼻を掠めた。
そして、私の首にロシナンテの顔が埋まり、首筋に痛みが走った。
私はスイッチが入ったかのように、恐怖と喪失感と羞恥心で、心が壊れた気がした。
｢……A？｣
私の眼から大粒の涙が溢れた。
『…い…やぁ……ッ!ロシ……ッ!こ…わいッ!こわい……よぉ』
｢…………馬鹿だ、お前は｣
深いタメ息をつき、ロシナンテは身体を起こし、Aを優しく起こしてから、優しく壊れないように抱き締めた。
｢久しぶりに会ったのにな…………悪い。｣
『もう……いや…ッ!ロシ…ナンテ……！！あんな…ことしないで……ッ!』
｢悪かった…………｣
『あんな……ロシナンテは……っ……も…う………………見たく…ない……ッ』
｢……ごめん｣
泣きじゃくる私にそう言って、額にキスを落とし、もう一度優しく抱き締めた。
時々背中をポンポンして擦ったり、うつ向いて泣いているAの頭に時々キスをした。ロシナンテは子供が泣き止むのを待つ母親のように、ずっとずっと、Aを優しく抱きしめた。
ふう……と彼は、溜め息をし、泣いているAには聞こえないくらいの小さな声で言葉を洩らす。
｢好き過ぎて……どうしたらいいか、わかんねぇよ｣
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紅葉＊(プロフ) - まるるさん» 遅くなりましたが、ありがとうございます(*^O^*) (2020年5月1日 4時) (
レス) id: 06ce06fb64 (このIDを非表示/違反報告)
まるる - 本当に素敵な作品でした。 (2020年1月27日 22時) (レス) id: dc3f6f8033 (このIDを非表示/違反報告)
まるる - 最高すぎます。番外編、現実である事を願ってます。ロシナンテ大好きです。3人ともずっと幸せでいて欲しいですね(´ｰ｀) (2020年1月27日 22時) (レス) id: dc3f6f8033 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉＊(プロフ) - 藍子さん» 遅くなりましたが、コメントありがとうございます！ちょうど、娘がロシーと同じ年くらいに書いたのでロシーちゃんの反応はうちの娘に近いリアル感なんですよ(*ﾟ∀ﾟ人ﾟ∀ﾟ*)♪ (2018年12月30日 21時) (レス) id: 06ce06fb64 (このIDを非表示/違反報告)
藍子 - 娘のロシーがパパって抱きついたのが可愛いくて胸がキュンってなりました。( ≧∀≦)ノ (2018年10月23日 19時) (レス) id: 71d779dc38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉＊ | 作成日時：2016年1月8日 5時
