番外編��〜夢、幻、それとも〜 ページ30
『ロシナンテ……？』
｢パパ？｣
二人が同じ顔でこちらを見た。
自分に子供ができていたなんて……
これは、夢か…………？
夢だとしたら、神様は相当意地悪だ。
｢ねぇパパ！｣
｢！｣
｢ママはね、ずーっと寂しかったんだよ！！｣
俺の顔を真剣な表情で少女は見た。
｢ママは、ロシーにパパのこと教えてくれてたんだ。その話は大好きだったけど、ママはロシーの眼を見て、時々ロシーを見てないときがあったの｣
『ロシー……』
｢わかったの。パパに会って。パパとロシーの目はとっても似てるの。ママは、ロシーじゃなくて、時々パパを見てたんだね！！｣
『｢！！｣』
少女は華のように美しく笑った。
俺は、この少女がスゴいことを言った気がして、…………解ってしまった。
この子は、俺の子だ……と。
｢ロシー｣
『わ！！パパが初めてロシーって言ったよ！嬉しい！！ママ！！』
｢俺がいない間、ずっとAの事を支えててくれたんだな…………｣
首に巻き付いている少女に、そっと背中に自分の片手を当て、反対の手は少女の小さな頭に当てた。
そして、ゆっくりと優しく小さな身体を抱き締めた。
｢ありがとう、ロシー。生まれてきてくれて｣
｢パパ！！！！｣
少女は、俺をさらにぎゅっと力を込めて、抱き締め返してくれた。
その時、幸せそうに微笑むAが見えた。
俺は、少女を抱き締めていた手を、Aに伸ばした。
｢A……俺の子を産んでくれて、ありがとう｣
Aは、笑顔に少し目を潤ませて、俺の手を掴み引き寄せれば、俺と少女……ロシーを抱き締めた。
少しの間、三人で目を瞑って抱き合ったあと、Aとロシーは目を合わせた。
俺は二人を見て、首をかしげた。
そして、二人は同時に俺の方を向き、ニコッと極上の笑顔を向けた。
『｢おかえりなさい！！！！｣』
｢！！｣
あぁ……神様…………
これがもし、夢でも……幻でも……
俺は、あんたに感謝するよ…………
こんな、夢のような時間をくれたことに…………
俺は、愛する家族をできる限り……壊れないように強く、優しく、抱き締めた。
｢ただいま｣
ーEND−
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紅葉＊(プロフ) - まるるさん» 遅くなりましたが、ありがとうございます(*^O^*) (2020年5月1日 4時) (
レス) id: 06ce06fb64 (このIDを非表示/違反報告)
まるる - 本当に素敵な作品でした。 (2020年1月27日 22時) (レス) id: dc3f6f8033 (このIDを非表示/違反報告)
まるる - 最高すぎます。番外編、現実である事を願ってます。ロシナンテ大好きです。3人ともずっと幸せでいて欲しいですね(´ｰ｀) (2020年1月27日 22時) (レス) id: dc3f6f8033 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉＊(プロフ) - 藍子さん» 遅くなりましたが、コメントありがとうございます！ちょうど、娘がロシーと同じ年くらいに書いたのでロシーちゃんの反応はうちの娘に近いリアル感なんですよ(*ﾟ∀ﾟ人ﾟ∀ﾟ*)♪ (2018年12月30日 21時) (レス) id: 06ce06fb64 (このIDを非表示/違反報告)
藍子 - 娘のロシーがパパって抱きついたのが可愛いくて胸がキュンってなりました。( ≧∀≦)ノ (2018年10月23日 19時) (レス) id: 71d779dc38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉＊ | 作成日時：2016年1月8日 5時
