溢れ出た気持ち ページ44
「…っ、なんでこんな気持ちなるんだ───」
背中を向けた私に、静の大きな体は覆い被さるように優しく包み込んでいた。
私の鼓動は、はち切れるくらい脈をうって耳まで響くくらいだった。
少しだけ湿った私の髪へ、静はそっと顔を近づけた。
「…この前の公園この時からだ。Aは幼馴染みなんだけど、小さくて可愛く見えて。─────触れたくなる。」
『…、静…？』
「本当はもっと強く抱き締めたい。」
『────っ』
「けど、………俺は本当に大バカ野郎だ…！！」
静のぬくもりが、すっと離れた。
私はゆっくりと振り返り、静の表情を見た。
唇を噛み、拳を思い切り握っていた。
そして、頭をうなだらせて、歯がギリッと音を立てた。
「A、ごめんな…。俺、頭がおかしい…！！だって、好きな人がいるんだよ。俺には…！！」
─────イタイ──────
心臓が音をたてて割れた。
そう思った。
静の言葉が、私の心に突き刺さる。
「だけど…！Aも気になってる。正直に言いたかったんだ。俺を嫌いになってくれてもいいから……」
─────イヤ────────
心が叫んだような、
そんな気がした。
私はそんな静だから、好きになってしまったのかもしれない。
不安定で、自分をどうしたらいいかすらわからない。
私と、似てる。
言いたいことを伝えて、ガムシャラに突っ走って、この先には何が見えるの？
正解かなんて、わからない。
でも、私だって前に進んでみたかった。
だから、私は静の頬に触れた。
静はピクリと反応をし、私を見た。
ああ、
愛おしいってこういう事。
「A…？」
そう呼ばれた瞬間、
私は静の頭を引き寄せ、ゆっくりとキスをした。
それは、長くそして甘く、初めての感覚だった。
涙が出た。
もう、私は静のそばにいちゃダメなんだ。
好きな人なら、
祈ろう。
きっと、静に恋がうまくいきますように────────
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星猫 - narutoは知ってます？ (2020年6月19日 23時) (
レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
紅葉＊(プロフ) - 飛鳥さん» コメントありがとうございます！そんな風に思っていただいている方がいらっしゃるなんて嬉しいです(*´｀*)アッキーは落ち着いたクールなお兄さんな雰囲気なキャラにしたかったんです！そういうキャラに注目していただけると思ってませんでした！！感激です(*^▽^*) (2019年7月12日 22時) (レス) id: 06ce06fb64 (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥 - 静好きだぁ〜！個人的にアッキーがカッコよくて好きでした！！とても面白いです！！ (2019年7月10日 2時) (レス) id: a42a465ba0 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉＊(プロフ) - みおさん» 初コメントありがとうございます！なななんと、嬉しい( ≧∀≦)新刊出て、袴田萌えが溢れてるんで頑張ってみますね！！ (2019年2月23日 20時) (レス) id: 06ce06fb64 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉＊(プロフ) - 森田菜々子さん» コメントありがとうございます！たくっちさんを知らないので申し訳ありませんが、できないと思います。ご期待に添えず、すみませんm(_ _)m (2019年2月23日 20時) (レス) id: 06ce06fb64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉＊ | 作成日時：2018年7月5日 6時
