貴方色丿琥珀糖。 (ページ26)

今日:8 hit、昨日:20 hit、合計:51,903 hit

▷ ページ26

「うまーー！！！！！！！」

『さいこー！！！！！！』

二人きりの部屋で、アニメを流しながら

テーブルを囲んでお鍋を食べる。

なんて平和なんだろうか。

お酒も開けちゃって、ちびちび飲んでいる。

『ん〜、美味しいのしかない』

「もう酔ってる？早ない？笑」

『ふはは、久々に飲んだなあ…あ、これ美味しい』

まだ少し寒い今にお鍋はピッタリ過ぎた。

お酒も美味しいし。

ふと前を見れば理もニコニコ食べてるし。

理は笑顔が可愛いけど、こうやって見ると

やっぱりかっこいいなあ。

そんなこと考えながら口元にお酒を運ぶ。

「なぁーに、ずっと俺のこと見てるけど」

『なんか、かっこいいなあ思て』

『理のこと好きやなぁって…』

理は一瞬ビックリしたような顔をしてたけど

すぐにいつものニコニコ笑顔に戻った。

「あか〜んかわいい、俺もA好きすぎるわぁ」

『ほんまに？』

「うん、頭おかしくなりそうやわ」

そう言いながら理は立ち上がった。

何か取りに行くのかな、と思いながら

お鍋をつまもうとすると。

「A」

『うわあっ？！！』

私の真後ろに理が座り込んで。

優しくぎゅうっと抱きつかれた。

『ビックリした…』

「可愛すぎるねんもん、ほんま」

『ありがとう、ふはは』

「ちょっとこのままでいてもいい？」

『私お鍋食べたいねんけど』

「ちょっとだけ」

理は私の肩に頭をぐりぐり押し付けて

いいポジションを見つけたのか大人しくなった。

髪の毛が首に当たってこそばゆい。

こうやって二人でのんびりしてるのは

思い返すと結構久しぶりかも。

本当に好きなんやなぁ、としみじみ感じながら

お鍋の具を頬張る。

そうしてる間に、三角座りをしている私を

捉えるように理の両足に挟まれた。

「捕獲」

『逃がして〜、お鍋手ぇ届かへんわ』

「食べさせてあげようか」

『…いいです、自分で食べれるから』

「可愛げないなぁ」

『さっき可愛い言うてたのに』

「嘘、可愛いで、当たり前やん」

『…へえ、』

「なんやそれ笑」

もうすぐ春、

その頃も二人で時間を過ごせてますように。

___