貴方色丿琥珀糖。 (ページ22)

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『…おもしろかった、』

友達は結局誘えなくて、1人で見に行った。

でも、他に出演した芸人さんも

しっかりお客さんを呼び込んでいたようで

そこそこの人数は居てた。

九条って芸名でやってはるんやな。

確かに、九条に住んでるって言うてたかも。

だからなのかな?

他の初めて見る芸人さんも全組面白くて、

小川さんにお礼を言おうと出入り口を彷徨いていた。

すると急に肩を叩かれて、

「こっちからも見えたわ、来てくれたんやね」

『小川…九条さん、』

「ふふ、Aさんは小川の方でええよ」

「てか今舞台上とちゃうし」

『あの、むちゃくちゃ面白かったです』

『こんなんタダで見れて良いんでしょうか…』

「ええのええの。見てほしかったから」

『なんだか意外でした。小川さん、

あんなでかい声出るんですね』

「やぁ〜恥ずかし…笑まぁ、芸人やからね」

そう呟く彼を見て、なんだか

カッコイイと少し思ってしまった。

普段真面目に品出しとかしてる姿しか

見てなかった訳で、そんな大人しい彼が

沢山の人の前で喋って、動いてその人達を笑かす。

改めて芸人さんって凄いなぁ…

なんて思ったりして。

『…これからも応援したいです、

コウテイさんのこと』

「え、ほんまに?!ふふ、頼むわ」

なんだか急に私とは全然違うところにいる人だと

感じてしまって、2人で喋っているこの状況に

だんだんと胸が高鳴っていく。

昨日まで、普通にバイトの先輩として見てたのに

突然、なんだか、

『…かっこよかったです』

「え?」

『舞台の小川さん、普段からかっこいいのに

更にかっこよかったです』

口に出したは良いものの、恥ずかしくて。

顔に熱が集まっていく。

『…すみません、忘れてください』

「普段から、思っててくれたん?そんなｺﾄ」

『え、えっと…』

「ふふ、僕もAちゃんのこと

カワイイってずっと思っとったよ」

「あそこにお客さんとして来てくれてた時から」

『…へ、』

「ひとまず出えへん?外」

『え、あ、はい！！！！』

えっと、今何がどうなって、

……かわいい????名前も、そんな、

一気に彼を知りすぎてしまって、

私の脳みそはショート寸前だった。。

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