貴方色丿琥珀糖。 (ページ18)

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『うわぁー凄い勉強したぁ…』

「お疲れ様、結構出来たね」

『ほんまにありがとう…いつもこんな勉強してるの?』

「復習は毎日ちゃんと理解するまでやるかな」

『うわぁー凄い私も頑張らな…、』

「はは、毎日やらんでもええねんで。週1でも」

『うん…頑張るわ』

かれこれ2、3時間私の勉強に付き合ってくれて。

皆川くんは最初から最後まで

分からないとこ全部教えてくれた。

いやーでも、死ぬほど分かりやすかった…

ちょっとだけ友達には感謝しとこ。ちょっとだけ。

「ほな、帰ろうか」

『うん。ほんまにありがとう』

「いやいや」

そう言って2人で外に出ると

少し強めの雨が降っていた。

そう言えば今日は午後から雨が降るなんて

お天気キャスターさんが言ってたっけ。

すぐにやむって言ってたけど…

「僕折りたたみあるから、これで帰ろ」

『えっ⁈』

「…あ、嫌やった?」

『いやいやいやいや全く!!』

「ほなそうしようか、ひとまず駅まで行こ」

『……うん、』

皆川くんはバサッ、と傘を開いて手招きをする。

お邪魔します、と言いながら

私は皆川くんの隣に入った。

そうして2人で駅まで歩き出す。

心臓はずっとバクバク言いっぱなし。

図書館から駅まで歩くと10分ぐらいかかるし

雨が降ってるからもっと時間がかかるだろう。

あと何分、ここでﾄﾞｷﾄﾞｷしないといけないの。

「こんなに強いと思わんかったなあ」

『…うん、もう少し弱いのかと思ってた』

2人で色んなこと喋りながら

5分ほど歩いただろうか。

駅はもう少し先。

私の心臓は果たして保つのか。。

「雨の日は好きやないなぁ、あんまり」

『まぁ、じめじめするしね』

「でも好きな子とこんな事出来るのは良いな」

『…皆川くん、好きな子おんねや』

『やっぱ相合傘とかしたいの?』

「そりゃ嬉しいよな、現に今してるし」

『……え？』

「おっ」

皆川くんはゆっくり傘を下ろした。

見上げると雲の隙間から太陽が。

それにしても今…、

「もう少し降っててほしかったな、なんて」

にかっと笑ってそう言う彼の笑顔は

雨上がりの太陽の何倍も眩しかった。

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