貴方色丿琥珀糖。 (ページ13)

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紫色ページ13

×35期せめる。

×37期夢主
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semeru side

「せめる｡さん゛、好きです」

『へいへい』
　

「んんんん゛ーーほんまなんですよ…」

『せめて酒飲むなや』

Aに誘われて来た居酒屋。

お気に入りなんです、言うて

連れ込まれた個室。

酒飲めないの知ってるはずやのに

わざわざ俺を誘うところ。

後輩でそこそこ仲良いけど、Aは

ほんまによく分からん。

「お酒が回ると正直になると言うでしょう」

『バカ酒回ったら何でも言い放題やんか』

「私は正直になりますよっっ」

『そんなん何でも言えるやろ』

「…ううう」

…Aが酔うとだいぶ面倒な

タイプだったとは思わなかった。

ちらりとAの顔を伺うと瞳に

ほんのり涙が浮かんでいる。

『は？！え、A…、』

「せめる。さんは私のこと嫌ですか？」

『いやちょ、嫌やないけど』

「それなら今私にキスできますか？」

『……は？』

「…なんでもないです」

そう言ってAは机に突っ伏した。

Aの事が嫌いな訳無いし

嫌いやったらこうやって一緒に飲み行かへんし。

『あんまそうやってからかうなよ』

「…せめる。さん」

『なんやねん』

「これで私が酔ってないとか言ったら怒りますか?」

『……は？』

「そのまんまの意味です」

鼻をすすってAはゆっくり起き上がった。

…てかえ、酔ってない？？

『え待って怖い今素面って事？』

「…私この量じゃ酔えないです」

『ほなさっきずっと言ってたのは、、』

「酔って言ってないです。本気です」

真剣な瞳で俺を見つめるA。

素の状態で伝えるのは少し恥ずかしいから

お酒に頼ったフリをして言ったらしい。

…なんやねん。

そんなんせんでも、すっと言えばええのに。

『回りくどすぎるわアホ』

「うう、すみません」

『…そんなん、俺も好きやし』

「……えっ？！！！」