夢見て潰して愛させて、 (ページ41)

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#036 ページ41

You side

…どうしよう。

頭がうまく働いてくれない。

『…っ、ほんまに、嘘やないん…？』

「俺は本気。ずっと前から好きやった」

健人はあたしに目線を合わせて、

優しくそう言ってくれる。

ただ、自分の口からは何も出てこない。

なんて言えば良いんやろ。

むちゃくちゃ嬉しいのに。

「ごめん、リリーさんとキスしたって聞いて…」

『うん』

「なんか、イライラすんねん。嫌、っていうか」

『…うん』

「Aのこと、ほんまは誰にも渡したない」

健人のこんな顔、初めて見た。

頬は少し赤く染まっていて

まっすぐに私を射抜くその綺麗な目。

見つめられて、思わず目を逸らす。

「…今更やけど、彼氏おったりするん？」

『えっ？』

「九条とか。ずっと気になっててんけど」

『……おらんよ。こんな奴に。』

「ほんまに？…それやったら、考えて欲しい」

でもやっぱり信じられへん。

これは今、現実で起きてることなんやろか。

『…あかん。ほんまにびっくりで、』

「どうしたら信じてくれる？」

…信じる、か。

それやと、結局こうなってまうよ。

.

.

『そんな言うんやったら、私の事抱ける？』