年上優男さんと...(1) ページ2
「浅沼さんなんて、だいっきらい...!!」
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それは、1時間ほど前に彼から言われた一言が原因である。
『ねえAさぁ、俺たちしばらく会うのやめよう。』
さっきまで楽しく食事をしていた時に言われた衝撃の一言だった。
「なんで...ですか...」
私からしてみれば、さっきまでの彼の笑顔も嘘だったのかと疑いたくなるような言葉だった為、上手く言葉を返せなかった。
いつもなら冗談だって思えるのに、彼があまりにも真面目な顔で言うから、(あぁ本当に思ってるんだな...)と心の中で思ってしまった。
『最近有難いことに仕事が忙しくて、会えなくなると思うんだ。』
「今までだって、忙しくても夜に会ったりしてたじゃないですかっ...」
今までだって人気声優の彼が忙しくなることはたくさんあった。
それでも時間を作って家でご飯を食べるなどをしていたのに、なぜ今回はそれではダメなのか自分の中で全くわからなかった。
『疲れてる時に、Aに会いたくないんだよ...』
「...っ!!今までも、そう思ってたってことですか...?」
『ちがっ...!!』
彼がそう言おうとした時には、もう遅かった。
「浅沼さんなんて、だいっきらい...!!」
そう言って、お店から出ていってしまった。
彼が言いたかったのは、疲れている時に時々彼女に当たってしまうことがあり、傷つけてしまうことがあった為、今回は距離を置くという選択をとったのであった。
((言い方が悪かった...))
彼女が居なくなった席を見ながら、後悔していた。
もっと言い方があったのに...そう思いながら、彼はAを探していた。
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ちょっと続きます!
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作者名:こーん | 作成日時:2020年2月20日 20時