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・13話 ページ13






「お前ら、Aが目腫れてるの気付いてた
 か?」


伊達はヒソヒソとその体に似合わない
声量で聞いたが、
全員が首を横に振った。


男だと感じ取れない何かが
女にあるのだろうか。



「うーん…ちょっとね。」



Aの返答があまりにも
曖昧で何かがあったことは周りから
聞いていても明らかだった。


そして、固唾を飲んで聞き入っているのは
目の前の女だけではないことを
5人は知っていた。


「なんでも話聞くよ?」


更にAの前の女は追い打ちをかける。



すると少し悩んで顔が赤くなったのを
男達は見過ごさなかった。


「何かあるな。」


恋愛に対してそこまで敏感ではない降谷が
そう呟いたのだから間違いない。




「あー!顔赤くなった‼
 さては色恋沙汰ですなー笑」



そう言うと余計に顔が赤くなるAを見て
やばい。と思ったのは萩原だった。


萩原以外の4人はまだ自分のAに
対する気持ちが恋だとは、愛だとは、
思っていない。
いや、気付いていないの方が正しいだろう。



まだ萩原は気付かせたくなかった。



「実は私、付き合ってる人がいて…」

「え!Aちゃん、彼氏いるの⁉」




そんな中でのその一言は
あまりにも衝撃だった。


萩原は好きな人の話だと思ったから
それで勝手に嫉妬したり
もしかしたらその相手が自分かもしれないと、
他の4人があれこれ悩んで
これは恋じゃないか。
と気づかれたくなかったのに。




「…それは予想外。」



誰にも聞こえてないだろうか。
萩原の声は震えていた。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

1年前。


大学生4回生の春。

電車通学は最初は慣れなかったけど
4年目となればもう余裕。

週に1回のペースであう痴漢の
あしらいかたも覚えてきた頃。



お尻に違和感が合った。

また痴漢か。
ジンに言ったら今まで私に痴漢した人達、
ホントにころしちゃいそう。


なんて安易に考えていたけど、
その日の痴漢はちょっと厄介だった。




うわ。どうしよ。
今日は女の子の日だ。最悪。


いつもはあしらえていたはず
だったが女の子の日に痴漢にあうのは
想定外で焦る。焦る。焦る。




どーやって、いつもあしらってたのかさえ
分からなくなって。
お願いだから下着の中に
手が伸びないように願っていたけど。

もう無理な気がして
恥ずかしくて涙が出て。


「何してるの?」


そんな時に聞こえた声は
今となってはチャラ男認定している
萩原くんの声だった。

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ゅゅ - めちゃくちゃ好きです……この小説で警察学校組に興味を持ったのでほんとに感謝です、!!更新待ってます! (2021年5月22日 10時) (レス) id: cd6ed5edd7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年8月18日 11時

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