一寸先は闇【名探偵コナン】 (ページ1)

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「これから入学式を始める。一同礼！」

22歳。東都大学を卒業後。私は警察学校に入学する。周りは男子ばかりで、熱気と汗の臭いで既に気が参りそうになった。

私が警察学校に来た理由。それは言うまでもなく警察になるためである。ではなぜ警察になりたいのか。それを問われると私は言葉を詰まらせる。面接などで聞かれた場合の返答は、あらかじめ用意してあった。

親しい方が警察官で……とそこからは適当に言葉を紡いでいく。

だが、本当は理由なんかなくて、ただ純粋に自分が警察になるのは、必然で絶対的なものであると物心ついた時から感じていたのである。

それがなぜかは私にもわからない。
でも警察官になりたい。ではなくてならなくてはいけない。そんな思いが日を追うにつれて大きくなっていった。

「入学者代表。一ノ瀬A。」

「はい。」

入学者代表の挨拶は入学試験の成績トップがするという決まり。だから絶対に主席で入ってやると高校生の頃から決めていた。

女というだけで最初から下に見られるのはすごく嫌だった。でも仕方ないことも理解している。それなら結果を出せばいいことも私は分かっていた。

「今ここにいる皆さんは強い志を持ち、
　警察官になることを決意して入学してきた
　ことでしょう。この中にはおそらく周りと
　仲良しこよしするすもりはない。
　とおっしゃる方もいるかもしれません。
　しかし私は全員と仲良くなるつもりです。

　……………

　ご清聴ありがとうございました。
　入学者代表一ノ瀬A。」

広く深く人脈が必要で。
今は冷たく刺さるたくさんの視線も卒業するときには温かいものになってればいいななんて、
楽観的に思った。