168.今まで ページ44
静馬 side
冷えピタに続き,袋からリンゴを取り出した。
静馬「食べますか?」
食べます,と元気のいい声が返ってきた。
静馬「キッチン借りますね」
A「どうぞ」
部屋を出ていこうとすると,何やら期待を込めた目で見られた。
ふと合宿のときを思い出す。
すろうと思っていたリンゴをうさぎにして戻ってくると,どうやら当たりだったようだ。
おまけにチューリップもひとつ作っておいた。
A「うさぎにチューリップ・・・静馬先輩,器用ですよね」
満面の笑みでリンゴを食べるAさんに,ありがとうございますと返す。
しばらく,リンゴを頬張るAさんを眺めていた。
A「合宿のとき思い出しますね」
最後のひとつをフォークに刺し,Aさんが言う。
静馬「・・・そうですね」
方南との合宿は素晴らしいものだった。
だが,合宿を思い出すと必然的にその前のAさんとのことが浮かんでくる。
解決した今でも,何故あのときあんな態度をとってしまったのだろうと悔やむことがある。
顔をしかめた私を見てAさんも同じことを考えたのか,苦い顔をした。
A「あれから一ヶ月くらいしか経ってないのに,なんだかずいぶん前のことに思えます」
Aさんが話を変えるように言い,最後のリンゴを頬張る。
それは,私も同じ気持ちだと頷いた。
これまでに色々あったからだろうか。
それは合宿より前,Aさんと出会ってからも同じ。
静馬「私は・・・Aさんと出会ってまだ一年も経っていないのに,ずっと前から一緒にいたような気がします」
A「わ,私も!」
微笑むと,Aさんが身を乗り出してきた。
A「おんなじこと,思ってました」
自分だけだったらどうしようと心配だったと,恥ずかしそうに微笑んだ。
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姫奈(プロフ) - maeさん» そうなんですよね。改めて見ると結構長いというか。そろそろ,などと言ってはいますが時間的には結構かかると思いますよ。なにしろ更新スピードが遅いので(笑)ありがとうございます,はい,最後まで頑張らせていただきますっ! (2017年10月9日 22時) (レス) id: b0044d997f (このIDを非表示/違反報告)
mae(プロフ) - そろそろ完結ですか、早いような短いような(-.-)でも154話も更新されてると考えると結構長かったなぁと思いました!最後まで楽しみにしてます!!ラストがんば! (2017年10月9日 21時) (レス) id: 4282557f6f (このIDを非表示/違反報告)
蒼 - 姫奈さん» よかったー(-_-;)全然書かないとこうなるね… (2017年8月29日 18時) (レス) id: e1cdf2e7b6 (このIDを非表示/違反報告)
姫奈(プロフ) - 蒼さん» おひさー!!あってるあってる,僕でいーんだよ。 (2017年8月23日 15時) (レス) id: a6f43b73fe (このIDを非表示/違反報告)
姫奈(プロフ) - maeさん» あ,ありがとうございますっ!!いえいえそんな・・・上手いだなんて・・・(n*´ω`*n)お褒めいただき光栄です。 (2017年8月23日 15時) (レス) id: a6f43b73fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:姫奈 | 作成日時:2016年11月1日 17時