校舎裏の花壇４

１６５.さてはて風邪の行方は ページ41

静馬 side


それから三日後の月曜日。

土日の間に回復して，私は学校へ来ていた。

怜治「バースデーパーティーの日程，決めなきゃね」

よかった，と言う怜治様にご心配をおかけしました，と頭を下げる。

怜治「気にしてないよ，お楽しみは後にとっておくものでしょ」
万太郎「おかげでもうバースデー過ぎちゃったけどにゃー」

にゃははと万太郎が明るく笑う。

・・・あれ，そういえば。

ふと今いる面子を見回して，その場にAさんがいないことに気付いた。

静馬「Aさんがいないようですが・・・？」

まさか。

あ，と遊馬が声を上げる。

遊馬「忘れてた。Aのやつ，風邪で休みだって」

おずおずといった様子で遊馬が手を挙げた。

やっぱり。

原因は，確実にあの・・・キスだろう。

私のところには何も連絡が来なかったから，知らなかった。

静馬「何でもっと早く言わないんだ」
遊馬「悪い悪い」

軽く遊馬を睨む。

そこに楓と匡のツッコミが飛んだ。

楓「また忘れてたんですか」
匡「静馬さんのときと同じパターンかいな」

どういうことですかと聞くと，怜治様が苦笑しながら答えた。

怜治「遊馬ってば，静馬が休んだときも言うの忘れてたんだよ」
静馬「・・・なるほど」
遊馬「いや悪かったってマジで」

もう一度遊馬を見ると，少し離れられた。

・・・放課後，今度が私がお見舞いに行くか。

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