校舎裏の花壇３

１０６.言っちゃいけなかった ページ22

奈々 side


陸・尊×怜治・静馬

ヒース・恭介○×●楓・匡

穂積・歩●×○遊馬・万太郎


卓球対決は、一勝一敗でお互い一歩も譲らず、三戦目にもつれこんでいた。

ちなみに、私とAさんもさっき一回やったんだけど。

負けちゃった・・・。

Aさん、強かった。

あんまり運動は得意じゃないって言ってたけれど、絶対嘘。

だってそのあと愛華さんとも戦ってたし。

白熱した戦いだった。

よっぽど負けたくなかったんだな・・・

その試合もAさんが勝ってた。

何とかギリギリ勝った・・・って言ってたけど・・・

やっぱり運動は得意じゃないって嘘だ。

A「うーん・・・二戦目は正直勝つのは難しかったね」
奈々「え？」

突然そんなことを言われて、思わず訊き返す。

A「だってさ、支倉さんたちのほうが明らかに強そ・・・」

途中まで言って、Aさんは固まった。

ある一点を見つめて。

そっと目線をたどると、すごい睨んでる妹尾さん。

ああ、なるほど、と勝手に納得する。

今のは、言っちゃいけなかったかも。

Aさんはぱっと妹尾さんから目をそらすと。

A「でも、本当に支倉さんたちの方が強そう、ていうか強かったもんね」

周りに聞こえないように、こそっと最後まで言い切った。

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