校舎裏の花壇３

１０３.お風呂 ページ19

奈々 side

奈々「あれ？まだ誰も入ってないのかな？」

貸し切り状態の温泉。

てっきり、Aさんか近藤さんが入ってると思ったんだけど・・・

愛華「だからねぇ、いい加減静馬先輩のこと諦めたら・・・」
A「そんなの愛華に言われる筋合いは・・・」

ん？この声・・・

『ガラッ』

A「あ、奈々ちゃん先に入ってたんだ」
愛華「・・・」
奈々「Aさん・・・と、近藤さん」

そういえば、近藤さんとはまだ話してなかった。

愛華「愛華でいいわ」
奈々「よ、よろしくお願いします」

なんかピリピリしてるなぁ。

奈々「２人共、怒ってます？」
A「まあ、ちょっとね」

バシャっとかなり乱暴にお湯につかるAさん。

こんど・・・愛華さんは、少し離れてお湯につかった。

奈々「何かあったんですか？」

小声で訊いてみる。

A「何かもなにも、私たちはいつでもこうだよ」

そ、そうなんだ・・・

仲が悪い？のかな。

そういえばさっき、愛華さんが「いい加減静馬先輩のこと諦めたら」とか言ってたような。

奈々「もしかして、愛華さんも静馬さんのこと好きなんですか？」
A「当たり。そして私と静馬先輩の関係をこじらせた元凶」
奈々「えぇっ！？」
愛華「元凶とは心外ね」
A「だってその通りでしょ？私は悪くないもの」

こんなはっきりものをいうAさん、初めて見た・・・。

A「奈々ちゃん、愛華が私に何をしたか聞きたい？」

う、ちょっと気になる。

けど、チラッと愛華さんの方を見たら、ものすごい形相で睨まれたので慌てて首を振った。

A「・・・ま、いいんだけど」

なぜか残念そうにしている。


そして、このよくわからない空気のまま、誰かが出るまで過ごす羽目になったのだった。

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