私の敵はあいつ【深田竜生】 (ページ10)

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＊傷ついてほしくなかった＊ページ10

渉side
　Aが帰りの準備をしてくると言い部室へと向かった。

　俺たちは世間話をしながらAが来るのを待った。

　20分後Aはさっきまでとは違いいつもの制服姿だった。

凛「そういえば、Aの周りってイケメン揃いだよね！」

『はい？』

凛「弟くんに紫耀さん。あと、深田くんもでしょ！」

『あぁ…まぁ』

　深田とAって何か関係があるのか…？

　ここに来てから一切深田を見ようとしないし、深田のことを聞けば表情は鈍った。

凛「それなのにまったく興味ないよね！」

『それって関係なくない』

渉「帰るぞ」

『え、ちょっと！』

　この空気に耐えられなくなった俺はAのカバンを奪い取り歩き出した。

凛「かわいい子誘拐か！」

渉「ちげーよ」

皇輝「渉は行かないの？」

渉「用事思い出したから、また今度な」

凛「わかった。じゃあねA！」

『バイバイ！』

　俺の判断があってるのかはわからない。

　でもこのままあの場所にいればその空気に流されてついていくことになっていただろう。

　理由は分からない。

　ただ、Aが傷つくのは見たくなかった。