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松尾side
いつもはほかのメンバーが話してくれているからにぎやかだが、俺から誘った割には何も話すことがなく気まずい雰囲気になってしまっている。
松尾「なんか・・・ごめんね」
新「なんで謝るの」
松尾「いや、迷惑だったかなって思って」
新「別にそんなことないけど」
松尾「そっか!よかったぁ」
そういえば新ってこんな性格だったっけ?
1年の頃はもっと明るくて友達もたくさんいて、昔の俺には程遠い存在だったはずなんだ。
新「ねぇ、1つ聞いていい?」
松尾「うん、何でも聞いて!」
新「なんで俺に話しかけたの」
松尾「え…」
新「君も知ってると思うけど…俺の噂のこと」
松尾「えっと…まぁ」
新「俺なんかと一緒にいると君まで変な目でみられるよ。せっかくいい友達がいるのにもったいないよ」
結局俺は自分に都合がいいことしかしていないのかもしれない。
その人がいかに迷惑しているかなんて考えていなかった。
やっぱり俺なんかが人を助けることなんてできないんだよ。
そんなことを考えていると視界がぼやけていくのを感じた。
やばい、このままじゃまたあの時みたいに・・・
新「君は俺なんかといたらきっとダメになっちゃうよ」
松尾「・・・やっぱり迷惑だよね…」
やってしまった。
俺の目から雫がこぼれた。
また昔のように思われてしまうんだ。
じっと見つめる新の視線が痛く彼を見ることができなかった。
新「えっ、ごめん・・・その、なんっていうか…」
松尾「いいの。俺こそごめん。泣くところじゃないよね…」
新「いや、その・・・」
松尾「新は何も悪くないよ…!これは俺の問題だから」
新「ほんとごめん・・・」
自分の勝手な想像ではあるがちょっと俺に似ているのかもしれない。
新がこんな風に変わってしまったものにも何か理由があるのだとしたら、俺が救ってあげたい。
松尾「そうだ!今から行きたいところがあるんだ。一緒に行こうよ!」
新「でも・・・」
松尾「俺の事も話したいんだ。だから・・・」
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作者名:椋和 | 作成日時:2022年11月6日 19時