もう少し早く出会えたら・・・【鈴木大河】 (ページ16)

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新side
　そんな２人からよく言われる言葉がある。

兄「お前はいいよな。普通に勉強しただけで父さんたちに褒められるんだぜ」

姉「天才ってやつ？調子乗らないでよね」

兄「お前ばっか褒められて俺たちはもっと努力しろだ、新を見習えだのふざけるなよ！」

　どうしてそんなこと言うの…？

　大好きな家族が俺のせいでひどいことを言われさげすまれている。

　俺が何をしたっていうんだ。

　どうして人は頭の良し悪しで人を判断するんだ。

新「ごめんなさい・・・」

　それしか俺には言えなかった。

　俺のせいで２人が苦しむならいっそ俺ができなくなってしまえばいいんだ。

　中学２年の２学期末テストをすべて白紙のまま提出した。

　もちろん先生から呼び出された。

先生「お前どうした？前回まではオール１００点で学年１位だったじゃねぇか」

新「別に意味はありません」

先生「んー、お前が１問もわからないなんてことあるわけないだろうし…先生たちに頼んでもう一回受けてみるか？」

新「いいです。このままで」

　先生に挨拶をし、職員室を後にした。

　その日から俺には変な噂が立った。

　《新ってカンニングしてたんじゃね？》

　・・・ってね。

　今まで一緒に居た友達も離れていき、クラスでは孤立するようになった。

　同じように家に帰れば父親に無視され母親にはため息をつかれ、兄や姉には嘲笑われ散々な扱いだった。