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手紙〜作ちゃんへ〜 ページ12

龍斗side

涼「初めに作ちゃんに行っとくね。俺作ちゃんのこと大好きだったよ。気持ち悪いかもしれないけど、初めて会った時から一目惚れだったのかもしれない。なぜか作ちゃんが輝いて見えたんだ。来た!って勝手に思ってた。面白いよね」



龍斗「別に気持ち悪くないよ」



涼「俺は作ちゃんが羨ましかったよ。顔はかっこいいし、身長は高くてスタイルいいし、勉強も運動もできるってそんな完璧な人いないよ?俺の友達だと作ちゃんくらいだね。それなのに、ガリさんと一緒で女の子には興味はなくてね。

ただ一つ、残念なのが寒いギャグくらいかな。ほら、しゃべらなきゃイケメン的な?俺といい勝負だったんじゃない?告白大会!みたいな感じでね。ほんとに彼女とかいないの?いないなら俺が告白しちゃおっかなぁなんてな!」



龍斗「さすがにチャラいところは負けるけどな」



涼「病気の余命宣告を受けてから今後の人生になんて希望どころか進む道は真っ暗だった。それなのに作ちゃんが来てから不思議と生きないといけないと思うようになった。人との出会いって奇跡だよね。余命より半年も長く生きちゃったんだよ。それまでは学校に行くことすら嫌だったのにな。今は毎日が楽しかった。

〔あぁ、生きるのめんどくさくなったなぁ〕ってぼやいたときに作ちゃん言ってくれたよね。〔そんなこと言っちゃいけない。生きたくても生きられない人はこの世界に何十何百万人といるんだよ?せっかくいただいた命を大切にしなきゃ。それが、俺たちができる神様への恩返しだと思うよ〕って言ってくれたの今でも覚えているよ。

でも、俺のしたことって神様への反発になるのかな。こんな俺を神様もみんなも許してくれるかな。こんな別れになるなんて、俺も信じてはいなかった。

こんなことになってしまったことを許してください。

短い間だったけど、ありがとう。さようなら」



龍斗「俺だってはしもっちゃんに救われてばかりだったよ」



 ここだけの話、みんなに会うまでは自傷行為を繰り返していた。

 痛みなんて感じていなかったのに、はしもっちゃんに声をかけられたあの日から衝動的にカッターで腕を切ると今まで感じていなかった痛みを感じた。

 その日から刃物も自傷行為も怖くなった。

 それってまだ生きていたいと心の中で思っていたからだと思う。

 俺の方こそありがとう

 ゆっくり休むんだよ。

エピローグ→←手紙〜ガリさんへ〜



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作者名:椋和 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/annsatupuri/  
作成日時:2019年7月15日 13時

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