本当の恋に落ちた日【川村壱馬】 (ページ28)

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―手当ては過去― ページ28

北人side
　高校１年になった俺は授業についていけず、成績もピンチのため慎の部屋でテスト勉強をしていた。

　その時、思い切りドアが開く音がして急いで玄関へと向かった。

壱馬「よう」

北人「壱馬・・・」

　玄関には傷だらけ壱馬の姿があった。

北人「今まで何してたんだよ」

壱馬「何って？見ての通りだけど。というか、なんか食いもんねぇ？」

北人「ちゃんと話をしろよ！」

慎「北人、落ち着け。とりあえず、中に入れ」

　慎に止められ、壱馬を部屋に入れることにした。

慎「ずいぶん派手にやったんだな」

　今の状況が当然のように救急箱を片手にやってきた慎。

　そのまま壱馬の手当てを始めた。

壱馬「そうか？いつもと変わんねぇだろ」

北人「ちょっと待って。この状態を見て慎は何とも思わないわけ？」

慎「思うも何も、今回が初めてじゃないし。こんな感じで家に来たの」

北人「は？」

　え、どういうことだ。

　喧嘩をした壱馬が来たのは初めてじゃないって・・・

　それじゃあ、壱馬が喧嘩をしていることを知らなかったのは俺だけってこと？

北人「なんで俺話さなかった」

壱馬「話す必要あった？」

北人「・・・ふざけんな！」