本当の恋に落ちた日【川村壱馬】 (ページ3)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:102,271 hit

―目撃― ページ3

壱馬side
　今日は梅雨入りを知らせるような土砂降りだった。

　俺は週２・３で他校の奴と喧嘩をしている。

　ただのストレス発散に過ぎないがな。

慎「今回もこんなもんかよ」

北人「つまんないなぁ」

　３人とも喧嘩ばかりしている俺たち。

　喧嘩だけが俺たちの出来ることじゃない。

　もちろん、女にも困ったことがない。

　慎はそこまで適当には扱わないが、俺や北人は月一、早いと２週間で変えることもあるほどだ。

　３人で帰ろうとすると、ガタンと言う音の方を見た。

　そこには・・・

北人「・・・木ノ瀬ちゃん？」

　北人がそいつの名前を呼んだ。

　木ノ瀬って言ってたけど、北人の知り合いか？

北人「こんなところで何してるの？」

『・・・・』

慎「Aちゃん？」

　女は一言も話さずにただ目の前に倒れている奴らを見つめていた。

北人「こんなところに女の子１人でいたら危ないよ？ほら帰らないと」

『これ…やったの』

北人「え…あぁ、まぁね。お願い、学校には黙ってて」

『別に言わないよ。言ったところで私が何の得にもならないから』

北人「ありがとう。じゃあ、帰ろうよ」

『１人で平気だから。それに、そんなに血に汚れた人といたらどう思われるかね』

　女はそう言い残し歩いて行った。

　最後に見た目には感情なんて無かった。

　その顔が頭に残り、離れなかった。