―お願いは怪我― ページ32
壱馬side
目を覚ますと、自分の部屋にいた。
確かこの間の不良に絡まれて、殴られて・・・
今、何時だ?
痛い体を庇いながら体を起こすと、ベッドの片方が大きく沈むのを感じた。
壱馬「なんで…」
そこにはベッドに伏せたあいつの姿
時計を見ればもう深夜2時を回っていた。
壱馬「まさかずっと・・・」
あんなひどい現場で、嫌なことを思い出させてしまった俺のために・・・
俺は彼女に触れようとした。
しかし、罪悪感からか手が震えあと少しのところで手が止まってしまった。
『んっ…』
壱馬「やべっ…!」
急いで手を引き、いつも通りの態度で接した。
壱馬「お、おう。そんなとこで寝てたら…風邪、ひくだろ」
『大丈夫、体は強い方だから…』
何となく気まずい空気が部屋を流れた。
先に口を開いたのか彼女だった。
『なんで私なんかのためにこんな怪我までしたの…』
壱馬「なんでだろうな。俺にもわかんねぇ」
『そんなの理由にならないよ』
壱馬「しいて言うなら、守りたかった。それだけかな」
守りたかったのは本当のことだ。
こんな俺からしたら考えられないことだが、もう自分を隠して生きるのは嫌になったんだ。
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haruna(プロフ) - お話素敵すぎました!!!慎くんのストーリーも読んでみたいです! (2020年1月12日 21時) (レス) id: 81796fa860 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:椋和 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/annsatupuri/
作成日時:2019年6月29日 17時