本当の恋に落ちた日【川村壱馬】 (ページ22)

今日:5 hit、昨日:2 hit、合計:102,262 hit

―無気力は鉢合わせ&－ページ22

壱馬ｓｉｄｅ
　北人たちを置いて先に学校を出た。

　興味があるとか、素直になれとか余計なお世話だっての。

　そのことは俺が一番分かってるって話だよ。

　イライラしながら帰り道を歩いていると前から人が歩いてきた。

壱馬「あれって・・・」

　俺はその人の前に立ちゆく手を阻んだ。

壱馬「そんなに下向いて歩ってっとぶつかると思わねぇのか？それに、フードなんて被ってたらただの不審者だぞ」

　そいつのフードを外し無理やり顔をあげた。

壱馬「うわ、ブサイクだなぁ。化粧くらいしろよな」

『・・・うるさい』

壱馬「なんで今日学校休んだ」

『さっき起きた』

壱馬「寝坊かよ。度胸あんな、お前」

『・・・・』

壱馬「今は何してんの」

『気晴らしに散歩』

壱馬「昨日あんなことあったのによく１人で歩けんな」

『・・・・』

　俺をよけ、また１人で歩き出した。

壱馬「ちょっと待てよ。送るから」

『１人で帰れる』

壱馬「これでも一応心配してんだぜ。そう見えねぇかもだけど」

『・・・早くして』

　はい？俺にしては素直に言ったつもりだけど、こいつが素直じゃねぇんだが。

　可愛くねぇ女だな。

『・・・あんたって意外と優しいんだね』

壱馬「は？」