迷い猫は簡単に懐かない 【SixTONES】【SnowMan】

#7 ページ7

tn side




「ということで紹介します。昨日俺が保護してきた現役女子高生、あべべの教え子のA。てか苗字聞いてねぇわ」

「宮崎Aです。一応高校2年生、よろしくお願いします」


朝弱い人間が多いシェアハウスだが深澤によって次々と叩き起されて現在に至る

大男たち15人に取り囲まれたAは昨日より小さく見える


「高校2年生なの？じゃあ僕のお姉さんじゃん！」


高校1年生にして1番背の高いラウールはなんでか大はしゃぎして仲良くしようね〜とギュッギュッと手を握ってる


「え、お姉さん？てことは歳下なの、え」


そう独り言を呟いて混乱しているAは見ていて面白い

一通り全員の自己紹介を終えると朝に時間のある人間は部屋に帰っていく


「賑やかだね」

「15人もいればな。Aが増えたからこれからはもっとうるさくなる」

「ならないよ」


昨日みたいな誤魔化した笑みを浮かべるAの髪をぐしゃぐしゃと掻き回す


「ちょっと、ボサボサになっちゃう」

「なるんだよ。なってくれなきゃ困るから」


そう優しく微笑みかけてもえー、と困ったような顔しかしないAの髪の毛を一層ボサボサにする

なんで自分一人だけ世界から根絶されたみたいな顔をして他人を遠ざけるのか

昔の自分と似て見えて心が苦しくなった


「折角Aさんの作ってくれた料理冷めるから食べよ」


阿部にそう呼ばれてようやく止めた手に心底ホッとした顔をされて思う


「Aのことは俺が変えてあげるから」

「何か言った？」

「何も、ほら食べるんだろ」


でもそれはまだ時間がかかりそう

#8→←#6

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す