迷い猫は簡単に懐かない【SixTONES】【SnowMan】 (ページ4)

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#4 ページ4

Aside

「それもう少し詳しく話せる？」

「それは…」

少しだけ言うことが躊躇われて目を逸らす

「え、Aさん？」

視線を逸らした先に目を見開いた見覚えのある顔がいて私も負けじと目を丸くしてしまう

「え…阿部先生。なんで？…っ、やっぱり私帰ります」

「いまさっき帰れないって言ってたよね」

樹に完全なる図星の言葉を言われてあげた腰を仕方なく下ろす

「これってどういうことなの」

「樹がさっき駅前で保護してきた」

険しい顔をした阿部先生がこちらに近づいてくる
ああ、怒られるのかな

「最近学校来てなかったよね。どうしてそんなところに居たの」

目の前にしゃがんで私の固く握りしめられた両手を取ると逸らそうとする私の視線を捉えてじっと見据えられる

ダメだ、この人はちゃんと先生なのだ

「学校、行っても先生も周りも白い目で見るし、居場所ないんだよ私」

どんな表情をしたらいいか分からず癖でつい笑みを浮かべるとなぜだか悲痛な顔をした阿部先生が私の体を抱きしめる

「俺気づけてなかったね、ごめん」

「仕方ないよ。いじめられてた訳でもないし、阿部先生は悪くないから」

なんだか私より苦しそうな先生の体に腕を回す

なんで私より先生が辛そうなの

「うち部屋いくつか余ってただろ。Aそこに住めばいいんじゃないかって」

「いいんじゃない？」

しばらくそのままでいると不意に口を開いた樹の言葉に周りがなんだか賛同していて状況が読めない

「え、何言ってんの」

「今日から君はここに住むの。お願いだからもう危ない真似しないで」

突拍子もない提案で普段なら首を横に振るんだろうけど私を見るみんなの目が真剣でとても断れなかった

「…わかった」

「お母さんに連絡は？しとく？」

うなづいた私の頭を優しく撫でて先生はそういうんだけど

「多分要らないよ。もう2ヶ月も会ってないから」

あの人に私はもう要らないんだよ