迷い猫は簡単に懐かない【SixTONES】【SnowMan】 (ページ14)

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#14 ページ14

「足の踏み場ないよね、ごめんね」

久しぶりに帰った我が家は私が最後に出ていった時より凄い荒れようだった

「お母さんは居ないみたいだね」

「そうみたい。ちょっとホッとしたかな」

ガラスやら何やら色々と酷いので土足で部屋まで突き進む

この部屋を見て絶対言いたいことはあるのに阿部ちゃんは黙ってついてきてくれる

「学校のバッグそのままだからすぐ終わると思う」

バッグに入れてない教材とかお気に入りの洋服だけ手に掴む

部屋にはうっすらホコリが溜まっていて私の不在をよく表していた

部屋を出ようとした時壁に飾られた家族写真が目に入って動きが止まる

ああ、どうしよう

「A、大丈夫？」

思ったより遅かったのか阿部ちゃんが来たことで気持ちを切り替える

「大丈夫。ちょっと洋服選んでたら遅くなっちゃって、ごめんね」

誤魔化すように急いで視線を阿部ちゃんの方に向けて口角を上げる

いつもより笑うのが下手な気がする

「ごめん」

そういうと阿部ちゃんは私の体を優しく抱きしめて子供をあやす様に背中を軽く叩く

「なんで謝ってるの」

「先生としてついてきたつもりだから抱きしめてごめん」

「なにそれ」

笑おうとして声が引き攣る

「まだ17歳なんだよ。我慢しなくていいよ」

阿部ちゃんの声は優しくて、絶対泣かないつもりだったのに勝手に涙が溢れ出たんだ