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気が付いた時には、周りに友達なんか居なくって
私の側にあるのは、問題集と分厚い本だけだった。
父は大学の名教授、母は中学の数学教師
という、いかにも勉強一家な家に生まれたこの私。
小さいころから、机と睨めっこをし続け
今では「喋る暇があったら、数学の問題を解いている方が楽しい」
と思うほど。
だから、みんなが好きな、
流行りのものや、アイドルとか
そういうのには、全く興味がなくって
自然と私は、クラスで要するに
「陰キャ」
になってしまったのだった。
見た目は、いかにも陰キャな
おさげで丸眼鏡
とか、そういう訳でもないのに
勉強すればするほど、友達は少なくなっていった。
「Aちゃんって、堅いよねー」
「笑ってるとこ、見たことないしー」
「勉強なんか、しても意味ないのにねー」
そんな言葉、もう聞き飽きた。
私は、孤独が好きで、
孤独で生きていける。
勉強は将来において、とっても大切だし
何一つ無駄ではない。
そんな考えを一気に変える出来事が
高校一年生の夏、起こることとなる。
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作者名:スピカ | 作成日時:2022年5月13日 21時