shbr ページ34
更新遅!
頭痛が酷いお話
〜〜〜〜〜
窓のすぐ外ですら霞ませてしまうほどの雨。
授業中のため静かな教室内には、教師の声に加えて窓に打ち付ける雨の音がしていた。
いつもの授業なら大抵寝ている自分が、今日は寝ていない。
傍から見ればとてつもなく素晴らしいことなのだろうが、自分にとってみればそうでもない。
先程からずっと頭痛に見舞われているのだ。
それも、今までに経験したことがないほどに。
原因はこの天気を引き起こす低気圧。
そう、偏頭痛である。
この静けさの中唸っている訳にも行かず、上の空ながらも授業を受けていると、終わりを告げるチャイムが鳴った。
…この音でさえも頭に響くのだから、相当だ。
気が抜けて机に突っ伏していると、自分の机に誰かが来る気配がした。
その気配の主は言葉を発した。
「おーい、ぶるーく?」
「ん、シャークん…」
「元気無さすぎじゃね?どうかしたか?」
突っ伏したままモゴモゴと喋っていても分かるほどに、今の自分は酷いらしい。
特に隠しても意味が無いと悟り、正直に話す。
「あたま、いたいの」
舌っ足らず気味に訴えると、その反応を知っていたかのように返される。
「はぁー…やっぱりか。
保健室行くか?今なら連れてけるけど」
頭に響かないよう配慮された、優しい声。
よくよく考えてみれば、煩くてガンガンと頭に響いていたクラスの喧騒の中、彼の声だけは初めから響かず届いていた。
「…行くから、つれてって」
「はいはい、おぶってやるから」
何かに縋っていたい。
その一心で彼の制服の裾を掴んで言うと、優しく頭を撫でながら提案するシャークん。
「身長たりる、?」
「姫抱きすんぞ」
「やだ」
若干どころじゃなく足りていなさそうな身長のことを弄ったら、脅されてしまった。
そうして姫抱きを断り、おんぶで連れて行かれた先は保健室。
学校医が何故か居なかったので、仕方なく勝手にベッドを使うことにした。
暫く喋っていたのだが、彼はどうやら次の授業のため離れるらしい。
けど、体調が悪い時ほど寂しさは増す。
「ね、いっちゃうの?」
また裾を掴むと、困惑したような、でもどこか嬉しそうな顔。
「…居てほしい?」
「ん」
「じゃあ居てやるから、早く寝ろ」
瞼に暖かい手を被せられ、眠るよう促される。
「ぅ、ん」
曖昧な返事は空気に溶け、意識は沈み込む。
ふわふわした意識がどこかへ飛ぶ寸前に、先程の暖かさが手へと移動したのが分かった。
〜〜〜〜〜
申し訳ない…!
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朏―みかづき―(プロフ) - 没ネタの奴の小説書きました…((ボソッ 一応御報告しときますね、夜中にすみません… (2020年10月4日 3時) (レス) id: 6ca6a4d509 (このIDを非表示/違反報告)
いぐりあ(プロフ) - 夜雨さん» わーい!じゃあ雑に行きまーす!!ご意見ありがとうございますm(_ _)m (2020年8月22日 15時) (レス) id: c5d39b180d (このIDを非表示/違反報告)
夜雨 - はーい!!普通に自己満短編集2とかでいいと思います!!(雑) (2020年8月22日 15時) (レス) id: bb55298d19 (このIDを非表示/違反報告)
いぐりあ(プロフ) - カリトさん» そう言ってくださる貴方がしゅきです(ありがとうございます) (2020年8月16日 16時) (レス) id: c5d39b180d (このIDを非表示/違反報告)
カリト(プロフ) - しゅきです(突然の告白) (2020年8月16日 16時) (レス) id: 8da107864b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いぐりあ | 作成日時:2020年5月27日 15時