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藍沢「俺のせいで……」
まだ「俺のせいで……俺のせいで……」って言っている藍沢。
そうとう責任を感じてるみたいで目に涙が溜って零れ落ちそうなのを必死で堪えている。
緋山「あんたは責任を感じてるかもしれないけどいつまでもそのまんまでいるつもり?」
藍沢「………」
緋山「名取はあんたの事、「大切な人だったはずなのに忘たくない、忘れちゃいけない人だったのに」って藍沢のことを思い出そうとしてるのにあんたはそれでいい訳?」
藍沢「記憶をなくしたのは名取のせいじゃない。覚えてないのは俺の事だけなら日常生活にも問題ないだろ?俺の記憶をなくされたのも俺の自業自得だ。無理に思い出そうとしなくていい」
白石「……それ本音?」
藤川「そんなこと思ってないだろ?」
緋山「私たちに本音を隠せるとでも思った?」
冴島「もう10年の付き合いですよ」
藍沢「………」
冴島「この論文、記憶喪失についてですよね」
藤川「この医学書も」
白石「ここにある医学書も」
緋山「論文も」
探してみると藍沢の家には記憶喪失についての医学書や論文がたくさんあった。
藤川「本当はまだあきらめてないんだろ?藍沢ならそう簡単に諦めるはずないからな」
緋山「今日くらい正直になったらどう?」
白石「話、聞くよ?」
藍沢「……本当は思い出してほしかった、名取が俺の事を覚えてないってわかって俺に初対面のように接してくる名取と話してるのがつらくて仕方なかった……一昨日の朝テレビをつけたらあの事故の事が報道されててまた同じことが起こったらどうしようって怖かった……」
そういうと我慢できなくなったのか藍沢の目からはたくさんの涙があふれてきた。
藍沢「ッグスッグス……」
藍沢の背中をさすりながら「大丈夫、大丈夫」と声をかけているといきなり藍沢の体が力が抜けたように俺の方に寄りかかってきた。
藤川「ちょっ藍沢!大丈夫か?」
そういって俯いている藍沢の顔を上げると涙でグチャグチャになった顔はほんのり朱色にそまっていてはぁはぁと苦しそうに呼吸をしている。
まさかと思って額に手を当てるとほんのり熱を持っていた。
藤川「熱いな……」
そういうと何かを察したように藍沢が寄りかかっていて動けない俺の代わりにはるかが体温計を鞄から取り出してくれた。
緋山「冴島あんた体温計持ち歩いてんの?」
冴島「はい、一応ナースですし」
白石「さすが冴島さん」
ピピピピピッピピピピピッ
藤川「37.9度……」
緋山「この調子だと8度超えるかも」
白石「そうだね……」
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明日香 - ゆうかさん» ありがとうございます。面白いと言っていただけて光栄です。これからも頑張っていきますのでまたのリクエストお待ちしています! (2019年3月18日 17時) (レス) id: a6dbc40d34 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか - リクエスト書いて頂いてありがとうございました!!面白かったです!またリクエストしますね♪ありがとうございました!! (2019年3月18日 13時) (レス) id: 0721983257 (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - こんさん» わかりました。頑張って書かせていただきます!マイコプラズマ肺炎は完治まで結構かかるみたいなので毎度なんですが話が長くなってしまうかもしれませんがご理解いただけると幸いです。これからも頑張っていきますのでよろしくお願いします! (2019年3月15日 22時) (レス) id: a6dbc40d34 (このIDを非表示/違反報告)
こん - リクエストお願いします!藍沢先生がインフルエンザとマイコプラズマ肺炎を併発するのが見たいです!看病する人はできれば男性人がいいです!よろしくお願いします! (2019年3月15日 22時) (レス) id: 391160b051 (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - ほまさん» アンケートに答えていただきありがとうございます!暴行のお話ですか!結構、体調不良表現より余談の方が多かったかな?と思っていたのですが気に入って頂けたなんてありがたいです!これからも頑張っていきますのでよろしくお願いします! (2019年3月9日 18時) (レス) id: a6dbc40d34 (このIDを非表示/違反報告)
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