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突然の事だった……
大きな物音がしたと思ったら何かに突き飛ばされて体が床に打ち付けられたと思ったら体中に痛みが走った。
藍沢「っう……」
うっすらと瞳を開くと俺のまわりは砂埃が巻き上がっていてほとんど周りは見えない。
でも砂埃越しに見えた青い何か……
段々視界がクリアになっていって見えたのは横たわっている名取だった。
藍沢「名取……?」
体中が痛くてさっきまで少しも動けなかったのに俺はそんな体中の痛みも忘れて名取に駆け寄った。
藍沢「名取!名取!聞こえたら手を握ってくれ」
懸命に呼びかけても反応はない……
外傷はほとんどなくて擦り傷が数か所。
でも頭を打ったらしくて意識を飛ばしていた。
冴島≪藍沢先生!藍沢先生!≫
まずは擦り傷の治療からしようとすると無線が鳴った。
藍沢「なん…だ?」
冴島≪大丈夫ですか!?≫
藍沢「俺は無事だが名取が…」
この先は言いたくなくて思わず口を閉じた……
けど伝えなければいけないこの状況を……
名取を少しでも救いたいと願うのなら……
藍沢「……名取が2次災害によって俺をかばって……頭を打って意識がない………」
冴島≪っそんな……≫
藍沢「名取の治療が終わり次第ヘリで翔北に戻る……白石たちには伝えておいてくれ」
冴島≪わかりました……藍沢先生は大丈夫ですか?≫
藍沢「…あぁ……」
俺の返事を聞くと冴島からの無線は切れた。
早く名取の治療を開始しないといけないとわかっているのに……手が思うように震えて動かない……
ゴンッ
俺は力いっぱい拳で地面を叩いた。
なんでだよ……頭は自分の専門でもあるはずなのに……
散々腕を磨いてきたはずなのに……
震える手で何とか治療を終わらせてヘリに運び込んだ。
藍沢「こちら翔北ドクターヘリ………20代男性、意識ありません。バイタル正常、呼吸、心拍ともに問題ありません」
白石≪わかった≫
藍沢「はぁー」
白石との無線が切れると同時に出た溜息。
目の前には意識のない名取がいる……でも自分にはこれ以上何もできない……
白石はきっと冴島から名取の事をきいたのだろう。
なにも言ってこなかった……
白石に名取の事を説明するように冴島に指示をした。
でもこれは指示じゃない。
頼んだんだ……
自分の口から名取の事を説明する勇気がなかったから……
俺は逃げた……
現実から……
俺は………弱いな…………
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明日香 - ゆうかさん» ありがとうございます。面白いと言っていただけて光栄です。これからも頑張っていきますのでまたのリクエストお待ちしています! (2019年3月18日 17時) (レス) id: a6dbc40d34 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか - リクエスト書いて頂いてありがとうございました!!面白かったです!またリクエストしますね♪ありがとうございました!! (2019年3月18日 13時) (レス) id: 0721983257 (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - こんさん» わかりました。頑張って書かせていただきます!マイコプラズマ肺炎は完治まで結構かかるみたいなので毎度なんですが話が長くなってしまうかもしれませんがご理解いただけると幸いです。これからも頑張っていきますのでよろしくお願いします! (2019年3月15日 22時) (レス) id: a6dbc40d34 (このIDを非表示/違反報告)
こん - リクエストお願いします!藍沢先生がインフルエンザとマイコプラズマ肺炎を併発するのが見たいです!看病する人はできれば男性人がいいです!よろしくお願いします! (2019年3月15日 22時) (レス) id: 391160b051 (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - ほまさん» アンケートに答えていただきありがとうございます!暴行のお話ですか!結構、体調不良表現より余談の方が多かったかな?と思っていたのですが気に入って頂けたなんてありがたいです!これからも頑張っていきますのでよろしくお願いします! (2019年3月9日 18時) (レス) id: a6dbc40d34 (このIDを非表示/違反報告)
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