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とどけもの ページ1

今日は晴れていた。
学校の門を通り過ぎたところでまるで海を映したかのような青空を見上げ、思わずため息をついた。
「ヤシロはあと一年もしないで死んじゃうのさ。」
「世界には変えちゃいけないルールがあるってこと少年も知ってるだろ?」
そんなセリフが頭の中をグルグル回っている。
「…くん!……光くん!」
「せ、先輩!?」
「おはよう」
「うっす!ヘラッ」
先輩の前では笑顔でいよう。そう決めてたはずなのに。
髪をなびかせながらはにかむ先輩があまりにも儚くて、目頭がじわっと熱くなった。
「光くん?どうしたの?」
「ん、目に砂がはいっただけっす!」
「……そう?」
「はい!」
じゃあね、と小さく手を振って先輩は走り去っていった。
自分が兄のように強ければ、なんて考えてしまう。思っても叶わない事はわかってるはずなのに。

・・・放課後


午後4時。
いつもなら横尾と佐藤と変える時間。
今日はなぜかわからないけど帰りなくなかった。一人、教室で椅子に座ってうつむく。
バコーン!
顔にキレイに包装された袋が当たった。ほのかに甘い香りがする。
「なんだ!敵襲か!?」
見渡してみるけど人の気配はない。あれっと思って首をかしげると、
「われらとどけものはじめた」
「ひいきにしろ」
声のした方には、、、
「勿怪?…だよな…?」
届け物…ってさっき飛んできたやつ?
袋を開けてみると甘い香りがぶわっと広がる。
「これ…」
チョコチップが入った可愛らしいカップケーキが入っていた。
『調理実習でつくりました よかったら食べてね ねね』
と書かれたメモと一緒に。
「先輩…。」
カップケーキを作る先輩の姿が頭に浮かんでふいに笑顔になった。
ぱこーーーー!

「もうひとつあった」
「……おう。」
「たしかにとどけた またたのめ」
そう言い残してもっけは去っていった。
「なんだったんだあいつら…」
さっき投げられた物をみる。
「これは、、紙か?」
くるくるとまかさっている。
ばっ!っといっきに開いた。
「え!これって…」

かもめ商店街主催 第57回 夏祭り

チラシ……?

『一緒に行きませんか? ねね』
と書かれたメモ帳が貼ってあった。

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設定タグ:地縛少年花子くん , 花子くん , 源光   
作品ジャンル:その他, オリジナル作品
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作者名:刹那(セツナ) | 作成日時:2018年9月18日 6時

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