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コンコン


自室に居た私は、部屋に響いたノックの音に顔を上げる。






扉を開けると、そこには先程貸したノートを持ったコウがいた。


「Aちゃん!これ、ありがとうっ♪とっても助かったよ〜」


「あはは…お役に立って良かった!」






「ちょっとさ……中入れてもらってもいい?」


少しだけ声を潜めて聞いたコウに、私は頷いた。




「どうぞどうぞ。」


「お邪魔しまーす……」




部屋に足を踏み入れたコウ君は、後ろ手に扉を閉めた。







パタン…と、静かな室内に扉の閉まる音がする。









私は返されたノートを何気なく開いてパラパラと捲る。


すると、パサリと何かが零れ落ちた。






寸での所で受け止めると、それはコウが印刷されたブロマイドだった。

「これ、挟まってたよ」







そう言ってコウにブロマイドを返そうとするも、コウは首を振って受け取らない。


「それ、Aちゃんにあげる♪」



「え……?いいの!?」



びっくりした半面とても嬉しくて、私はコウに聞き返した。



それを見たコウは、優しく微笑んでから、意味ありげに言う。


「そうだよっ♪……ノートのお礼と…」





「?」









「……代金、……かなぁ〜?」







「――代金?」








「そっ……君の血の、ね?」







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作者名:明風瑠 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年3月10日 18時

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