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コンコン
自室に居た私は、部屋に響いたノックの音に顔を上げる。
扉を開けると、そこには先程貸したノートを持ったコウがいた。
「Aちゃん!これ、ありがとうっ♪とっても助かったよ〜」
「あはは…お役に立って良かった!」
「ちょっとさ……中入れてもらってもいい?」
少しだけ声を潜めて聞いたコウに、私は頷いた。
「どうぞどうぞ。」
「お邪魔しまーす……」
部屋に足を踏み入れたコウ君は、後ろ手に扉を閉めた。
パタン…と、静かな室内に扉の閉まる音がする。
私は返されたノートを何気なく開いてパラパラと捲る。
すると、パサリと何かが零れ落ちた。
寸での所で受け止めると、それはコウが印刷されたブロマイドだった。
「これ、挟まってたよ」
そう言ってコウにブロマイドを返そうとするも、コウは首を振って受け取らない。
「それ、Aちゃんにあげる♪」
「え……?いいの!?」
びっくりした半面とても嬉しくて、私はコウに聞き返した。
それを見たコウは、優しく微笑んでから、意味ありげに言う。
「そうだよっ♪……ノートのお礼と…」
「?」
「……代金、……かなぁ〜?」
「――代金?」
「そっ……君の血の、ね?」
・
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