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＊２ ページ15
ゴクンと最後の塊を飲み込んで、私はようやく一息ついた。
言ってしまえば、トマトは今までに味わったことのない程美味しくて、
この量と食べ方を除けば、感動していたほどだ。
「どうだ？美味かったか？」
自信たっぷりにそう聞いてくるユーマに私は心の底から頷く。
「うん。…今までに食べたことないくらい美味しかった」
「そうか。ま、当然だな」
満面の笑みで、心底嬉しそうに聞くユーマに私も自然と笑顔になる。
「買い出しはユーマがしてるの？」
だとしたらどこぞの主婦にも負けぬ才能だと思い聞いた私に、ユーマは大きく首を横に振った。
「いいや。これは……庭の畑で栽培してるやつだ」
「栽培？…ユーマが？」
思わず聞き返した私に、ユーマは誇らしげに頷く。
「家庭菜園ってやつだな」
その説明でやっと理解が出来て、私はなるほど、と納得できた。
「それにしても凄いね。農家の人にも負けないよ」
「当たり前だ。俺が丹精込めて育ててるんだからな」
笑ってそう答えるユーマからは、本当にそのことが好きなのだと伝わってくる。
「じゃな。俺はこれをルキに届けて来るわ」
そう言ってユーマが立ち去ったあと、私はさっきまでの寂しさを忘れていて、とても満ち足りた気分だった。
「ありがとう。……ユーマ」
きっと彼は、帰り際元気のなかった私に気を使ってくれたのだろう。
今は、その優しさがとても嬉しかった。
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